「定期接種化には慎重」“オミ株”対応ワクチン開始 副反応は? 政府の狙い
“オミ株”対応ワクチン開始 日本で定期接種化になる? 可能性は
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 オミクロン株に対応した新型コロナウイルスのワクチンについて、加藤厚生労働大臣は20日、企業などでの職域接種を来月下旬から実施すると明らかにした。

【映像】人はまばら? 都が設けた大規模接種会場(現地の様子)

 全国で新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、東京都ではオミクロン株に対応したワクチンの大規模接種会場も設けられた。現場を取材したテレビ朝日・社会部で厚労省を担当する松本拓也記者は、こう話す。

「オミクロン株に対応したワクチンの接種対象者は、『2回目までの接種を終えた12歳以上の希望者全員』です。ただし、前回の接種から5か月以上間隔を開ける必要があります。優先順位は4回目の接種を終えていない方、エッセンシャルワーカーです。最終的には、10月半ばを目安に、接種対象者を12歳以上の希望者全員に範囲拡大できるよう目指しています」(以下、松本記者)

 3回目のワクチンまではオミクロン株対応ワクチンではなかったこともあり、一部の国民からは4回目の接種に悲観的な声も上がっている。

「3回目までのワクチン接種率は約65.2%です。ワクチン接種後の効果の持続も短くなっているため、政府としては特に3回目の接種率が低い若い世代にワクチン接種を勧めていき、重症化率の高い高齢者への感染拡大を抑えたい方針です」

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 従来のワクチンでは、そもそも感染防止効果が持続しづらく、感染後の発症予防がしにくいとして、オミクロン株ワクチンを推奨している政府。これまで新型コロナワクチンは接種後の高熱や倦怠感といった『副反応』の症状が指摘されているが、今回のオミクロン株対応ワクチンもこうした副反応はあるのだろうか。

「従来のワクチンと同様の副反応の症状が報告されています。ただし、その頻度に関しては従来のワクチンと大きな差は出ていないです。オミクロン株の亜系統全般に一定の効果があり、政府は年内をめどに希望する人全員に接種をしていく予定です」

 国民の期待と不安が混じる中、日本で感染が急拡大しているオミクロン株『BA.5』に対して効果はあるのだろうか。

「今回のオミクロン株対応のワクチンは、従来株に加えてオミクロン株の『BA.1』の2つの成分を含んだ2価ワクチンです。『BA.5』の効果を含んでいるわけではありませんが、オミクロン株の他の種類にも一定の効果があると言われています。今回の『BA.1』対応のワクチンと、従来のワクチンがどう違うのか、どのぐらい効果があるのかについては、政府が国民から理解を得られるよう丁寧に発信をしていくことが重要だと思います」

 今回で4回目となる新型コロナウイルスのワクチン接種だが、今後国民が生活をする中で5回目以降も定期的な接種が必要になるのだろうか。

「withコロナの出口戦略として、アメリカではインフルエンザワクチンのように流行の波に備えて年に1回接種するようになるといわれています。現状、日本ではインフルエンザと比べて新型コロナウイルスの致死率は高く、感染拡大しやすいことを受け、政府としては慎重な動きをしています。ワクチンの効果が短いため、副反応を取ってその分ワクチンの効果を優先させるのか、ある程度感染しても副反応を避けられればいいのか。さまざまな考え方があると思います。ただ、新型コロナに感染した際の発症予防効果や重症化リスクの軽減を考えると、ワクチンは1つの有効な手立てです」

ABEMA倍速ニュース

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