1996年、沖縄の普天間飛行場返還の日米合意によって注目が集まった名護市辺野古のキャンプ・シュワブ。沖合には、移設用の滑走路建設が計画された。
【映像】ひろゆき氏に“座り込み”抗議者が「馬鹿野郎!」 激しい口論の様子(現地取材)
現地では住民を中心に反対運動が繰り広げられる中、2004年にはアメリカ軍のヘリ墜落事故が発生。沖縄県が国を提訴するなど、法廷争いに発展していった。
7日放送の『ABEMA Prime』では、沖縄基地問題をテーマに議論を展開。番組に出演し、現地を訪れたひろゆき氏は「沖縄の人が被害を受ける構造は変えるべきだ」と述べる。
「米軍基地は今、沖縄に集中している。たとえば、沖縄に5000億円を毎年渡して基地を置かせてもらっているとする。でも、別の県が『うちなら4000億円で置けるよ』と言えば、もうその県に移動していいと思う。金額を上げていって『どこも受けないなら、沖縄は1兆円でやります』と、ちゃんと経済的に島民にメリットがあるような形で、基地を置いた方がいい。それなら納得できると思う。でも今は、軍用地の地主のような金持ちだけにお金が入っている。実際に、被害を受ける庶民にあまりメリットがない。だからその構造を変えるべきだ」
国が陸上部分の工事に着手した2014年7月から、現地では基地建設に反対する人たちが“座り込み”による抗議をしている。以来、3000日を超えた今も続いている状況だ。
ひろゆき氏は「基地反対派の人たちは『自衛隊は出て行け。米軍基地は出ていけ』と言っているが、基地がなくなって、得をするのはロシアと中国だ。日本の未来のためにやっているのではなく、中国やロシアに有利な環境を作ろうとしている人たちが、座り込みによって、移設工事のトラックを妨害しているようにも見えてしまう。沖縄でどれだけ反対運動や県民投票をやっても工事が止まっていない。ということは、日本の国会を動かさない限り、もう変わらない。別の県の国会議員が『うちの県に基地をもってくるなら安くやるよ』と言ったら、そっちに移動するのではないか?だから日本全体の話にちゃんと持っていくべきだ。『抗議しかできない』がもう間違っている。日本の国会議員にどう語りかけるかだ。嘘をつく人たちや『中国のためにやってるんじゃないの?』と思われるような人たちは、ちゃんと排除した方が、長期的には沖縄の待遇や環境は良くなる」と見解を述べる。
ひろゆき氏の説明に、基地問題を精力的に取材している、沖縄タイムス記者の阿部岳氏は「今のお話でいうと、ひろゆきさんは基地が日本の中のどこにあってもいいと思っている。値段を釣り上げていって入札で決めようということだ」とコメント。「そもそもどこにあってもいいのであれば、沖縄に70%もあるのはやっぱりおかしい。みんなで応分に負担すべきだと思わないか」と投げかけた。
ひろゆき氏が「たとえば佐賀県が『じゃあうちに持ってきてね』と言ったら、そこで動くという話をしている。日本全体の話にしなきゃいけないので、ちゃんと国会で話をするべきだという話だ」と答えると、阿部氏は「日本全体の問題だから、そこは別にお金が介在しなくてもいい。まずお金でどうにかしようということもおかしいし、そもそもお金がなくて応分に引き受けるべきだ」と反論。
続けて、阿部氏は「それから佐賀県とおっしゃったが、こういうときに東京は出てこない。やっぱり地方である佐賀や高知などに、どうしても話が行きがちだ。『中国に優位な状況を作り出そうとしている』という話は、看過できない。よくある陰謀論だ。沖縄の反対運動が中国のためにやっている、中国のスパイであるとひろゆきさんは言った。それこそ何の証拠もないし、実際に事実と違う」と指摘した。
ひろゆき氏は「陰謀論ではなく、彼らが言った事実だ。僕は彼らが中国のスパイとは一言も言っていない。彼らの主張する事実を言っただけだ。米軍基地がなくなって自衛隊の基地がなくなったら、台湾有事のときは誰が沖縄や石垣島とかを守るのか。反対派は自衛隊も出ていけと言っている。自衛隊と米軍基地なしで石垣島や沖縄をどうやって守るのか」と阿部氏に説明を求めた。
阿部氏は「話をすり替えられたので、まず元に戻す。米軍の自衛隊基地になぜ反対するか。中国に有利な状況を作ろうとしているのは、事実と違う。なぜ米軍基地に反対するかというと、米軍による被害があるからだ。ここで言っているのは別に安保や政治といった思想信条などではない。物が落ちてくる、人が殺されるといった被害が実際にあるから出て行けと言っている。ひろゆきさんはそれを解釈しただけで、事実ではない」と見解を述べる。
ジャーナリストの宮原ジェフリーいちろう氏は「沖縄基地の問題を考える上で多数派の国会議員を動かさなきゃいけないのは、全くその通りだと思う」とひろゆき氏に賛同。その上で「一方で、国会議員が動かない原因を基地反対運動で日々動いている人たちに求めるのは、全く違う」とコメント。「阿部さんも私も東京出身で今沖縄に関わっている。多数派の東京に住んでいる人たちが、その立場で私たち自身、どう国会議員に語りかけていくか。それを考えていくことが重要だと思う」と呼びかけた。(「ABEMA Prime」より)
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