全世界累計発行部数が3000万部を突破している「ソードアート・オンライン(SAO)」シリーズ。2012年にTVアニメ化され、4シリーズ全97話が放送されているが、2021年には《SAO》シリーズ原作者の川原礫氏自らリブートした《アインクラッド》編を完全新作アニメーションで映画化した「劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア」が公開された。
【動画】イベント『映画公開直前!アニメ「SAO」10th MEETING』生中継
その「星なき夜のアリア」に続く第2弾となるのが、2022年10月22日に公開される「劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ」だ。TVシリーズの主人公・キリトからヒロインのアスナに視点を変えて再構築された物語には、オリジナルキャラクターや新キャラクターも登場。ログアウトできなくなったデスゲーム《ソードアート・オンライン》の世界の中で、《アインクラッド》の第5層をプレイヤー同士で協力して攻略していく物語が描かれる。
キリトを演じるのは、声優の松岡禎丞(まつおか よしつぐ)。TVシリーズでは14歳から18歳になるまで成長していたが、「星なき夜のアリア」にてTVシリーズから10年越しに《アインクラッド》編の14歳のキリトを演じるにあたり、「当時の全力だった僕のお芝居に対して、今の僕のお芝居をしてしまうとまったく違うものになってしまうのでは? と思ってしまい、正直な話収録をするのがちょっと怖いなと感じる部分がありました」と公開当時語っていた。
「冥き夕闇のスケルツォ」は「星なき夜のアリア」からひと月以上の月日が流れ、キリトとアスナがコンビを組み情報屋のアルゴの協力を得ている状況からスタートする。リブートされた「劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ-」第2弾でキリトを演じる上で、どのように演技プランを立てていたのかインタビューで尋ねると、松岡は「今回、僕はあまり苦労はしなかったです」と答えた。
「これは声優あるあるかもしれないのですが、どの話数より緊張するのは(シリーズ最初の)1話なんです。なぜ緊張するのかと言うと、オーディションを経ていても実際にバランスを取りながら(演じる声優同士で)掛け合うのが1話になるからです。お互いにしっかりと擦り合わせていかないと、制作陣が意図しているものと全く異なるバランスになってしまうので難しくて……。
10年以上演じてきた(キリトとアスナの)関係性が一度元に戻って、改めて擦り合わせたのが前作の「星なき夜のアリア」だったのですが、そのときの演技をベースにしつつその間の出来事も原作小説の中で補完されているので、そこを読んだ上での地続きで「冥き夕闇のスケルツォ」を演じさせていただけて。ですので、僕はあまり苦労することはありませんでした」
「星なき夜のアリア」では、キリト視点からアスナ視点となったことでのTVシリーズとの差異も、ファンにとって注目ポイントとなっていた。特にオリジナルキャラクターとして登場したミトは、《アインクラッド》に閉じ込められてしまう前からのアスナの親友として描かれており、《アインクラッド》での戦いの中でアスナとのすれ違いも描かれた。
キリトは「星なき夜のアリア」ではミトと直接的な接点がなかったが、「冥き夕闇のスケルツォ」ではどうなのか? 松岡にミトという存在について訪ねてみた。
「(「星なき夜のアリア」において)キリト自身はミトと直接会話をしていたわけではなく、最後に存在を認識して一緒に戦っていただけという関係性ですが、「冥き夕闇のスケルツォ」ではとあるシーンでキリトとミトがちょっと接触するシーンがあるんです。
「星なき夜のアリア」でのアスナとミトの関係性を垣間見つつ、そのうえでキリトがミトに物申すみたいなところがあって、僕としてはミトとキリトが会話できて良かったなと思いつつも、もうちょっとものの言い方を考えたらよかったのにとも思っていて(笑)。
それが当時のキリトなので仕方ないのですが、ミトがいたおかげでキリトはアスナとバディを組めているので、すごくうまく落とし込めているなという気持ちがありました」
《SAO》シリーズは、キリトとアスナの関係性が物語の重要な要素となる。リブートされたことで、改めて2人の出会いが「星なき夜のアリア」では描かれたが、「冥き夕闇のスケルツォ」では2人の関係性がどのように進展していくかにも注目したい。
松岡は「基本的に(キリトとアスナの関係性の)到達点はTVシリーズ1期になるのですが、「冥き夕闇のスケルツォ」ではまだ恋愛感情ではなく、信頼できる相棒としての立ち位置になっていくところが描かれています。《SAO》シリーズをずっと見てくれている人にとっては「ここからか」と思ってもらえるような関係性が垣間見えてくるので、面白く見ていただけると思います」と語ってくれた。
リブートされた《アインクラッド》編の第5層攻略を描く「冥き夕闇のスケルツォ」。劇場に足を運んだ際は、キリトとアスナの関係性に注目して観賞してみてはいかがだろうか。
『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ』
10月22日(土)より全国公開
配給:アニプレックス
【公式HP】https://sao-p.net/
【Twitter】https://twitter.com/sao_anime
(C)2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project
テキスト/kato