長男・翔太郎氏を総理秘書官に登用した岸田総理の人事について、8日の『NewsBAR橋下』では、橋下徹氏と元財務官僚で嘉悦大学教授の高橋洋一氏が議論を交わした。
【映像】橋下徹×元財務官僚・高橋洋一 岸田政権1年…経済政策にダメ出し連発!?
「正直驚いた」という高橋氏は、「総理秘書官の中でも政務秘書官は一番偉くて、総理の隣の部屋で“ドーン”と座っているポストだ。他省庁の秘書官はそこにくっついて、みんながコメツキバッタのようにひたすらお願いにくる。総理の時間をとってもらうのに、政務秘書官を通さないと無理だから」と説明。
橋下氏が「旧統一教会や国葬の問題がいろいろ言われているこのタイミングで、息子さんも『お父さん、今はちょっとまずいんじゃないか?』と言えるような人材に来てもらいたかった」との考えを示すと、高橋氏は「岸田さんの頭の中は人事のことしかない。政策はほとんどない」として次のように話す。
「政策があって人事をするタイプと、人事しかない人がいる。岸田さんは後者だ。参院選のあとは改造人事で頭がいっぱいだから、すべてそこに結びつけて行動していた。ひどいなと思ったのは、中国が日本のEEZ内に(ミサイルを)撃ち込んだ時、国家安全保障会議(NSC)を開くのが常識だが、事務方の人に聞いたら『開こうと思っていたけど、改造人事があるから動けなかった』と。本当がどうかわからなかったのでいろいろな人に聞いたけど、ほぼそうだった。こんなのは見たことない」
これを受けて橋下氏は「安倍さんは、集団的自衛権の限定的行使の時に法制局の長官を引っ張ってきて、政策を実現するための人事だとして批判を浴びたことがある。ただ、安倍さんが例外だったのであって、党をまとめるための調整があった今までの自民党のスタイルに戻ったのかなと思うが、やはり政策を実現するための人事をやってほしい」と訴える。
高橋氏は「私がいた小泉政権と安倍政権、菅政権はみんな先に政策。“この政策をやりたいから、これを”とすごくわかりやすかった。例えば、小泉さんは郵政民営化というと『竹中平蔵』と言うわけだ。政策があっての人事なんだけど、岸田さんは違う」と指摘した。
橋下氏が「岸田さんも政策はあるとは思うが、それと人事の結びつきが見えにくい」との見方を示すと、高橋氏は「橋下さんは優しい。私は政策なんか何もないと思っている」と返した。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)