円安が急激に進行している今の状況について、8日の『NewsBAR橋下』では、橋下徹氏と元財務官僚で嘉悦大学教授の高橋洋一氏が議論を交わした。
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岸田総理が臨時国会の所信表明演説で物価高と円安への対策を表明したことについて、高橋氏は「国民が苦しんでいるのもあり、焦点はそんなに悪くない」とする一方で、「円安になってマスコミは『大変だ』と言うけど、GDPは増える。円安時の対応は楽だ」と説明。
橋下氏は「円安で困る人はもちろんいるけど、得してる人もいて、トータルでどっちなのかという議論がない。このあいだ発表された企業決算の収益状況を見ると、軒並み利益が出ている」と指摘する。
高橋氏は「来年度になると法人税収が増えて、その分から困っている人に手当てしてもお釣りがくる。要するに、困っている人よりも、儲かっている人の金額のほうが大きいという話だ。また、こうなった時に普通はアメリカが文句を言ってくるが、今はそれがないのでラッキーとしか言いようがない」との見方を示した。
政府は9月22日に24年ぶりとなる為替介入を実施し、一時は円安に歯止めがかかったものの、すぐに元の水準に戻っている。「介入しても意味がないのは最初からわかっていたから、『儲けているのになんでやるの?』と。海外から文句が来ないんだから、『このまま放っておけばいいだろう』で終わる」。
では、どの程度の円安水準まで許容できるのか。「日本とアメリカのお金を見ると、1ドル=160~170円にはなかなかならないだろうというのは予測できる。せいぜい150円ぐらいまで行ってうろちょろするレベルで、155円までいっても大丈夫」とした。
これに橋下氏は「『トータルでプラスになるぞ』と言い切ってくれる専門家は少ない。利益になっていることを、なぜ岸田さんや政治家の方たちはもっと言わないのか。『円安で危ない』という話ばかりだ」と疑問を呈する。
高橋氏は「実は円安で一番儲けているのは財務省。自分たちが儲けていることがわかったらいろいろ言われるから、言わない」「外国為替資金特別会計は180兆円くらいあって、ほとんどがドル建ての外国債券。しかも、含み益が40兆円ある。これは今市場で売らなくても、3年債というぐらいだから期限がくれば売っていくべきもので、毎年10兆円ぐらい入ってくるだろう。今すぐ欲しければ、政府の中でも売り買いできる。こういういろいろなテクニックがある」と説明した。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)