天皇皇后両陛下が今月1日、地方公務として栃木県を訪問された。久々の地方公務となる両陛下の姿に、沿道には多くの人々が集まった。
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両陛下にとって約3年ぶりとなった地方公務。一体どのような背景があったのか。
同行取材をしたテレビ朝日・社会部で宮内庁を担当する遠藤行泰記者はこう語る。
「天皇皇后両陛下が栃木県を訪問されたのは、コロナ禍で3年ぶりに開催された国民体育大会の開会式に出席されるためでした。両陛下揃って現場で地方公務を行われるのは実に2年8か月ぶりです。地方を訪問されると、地元の方が沿道などに集まって歓迎し『密』になります。感染拡大防止の観点から、陛下はこれまでオンライン訪問で地方公務の対応をしていました」(以下、遠藤記者)
雅子さまのご体調に、国民からも心配の声が寄せられていた。遠藤記者は、公務当日の様子について「元気な様子がうかがえた」と振り返る。
宮内庁は今後の地方公務について「両陛下そろってのご出席を前提とする」と発表している。
「今月22日には沖縄で行われる国民文化祭の開会式に両陛下で出席される予定です。オンライン訪問は『警備がいらない』という利点もありますが、やはり沿道で『両陛下を直接見たい』という県民や市民の方々は非常に多く、皇室の存在を身近に感じることができる良い機会となっています。新型コロナの状況次第ではありますが、皇后さまの体調がゆるせば、今後は両陛下そろっての地方をご訪問が増えていくことになりそうです」
「先月、両陛下はエリザベス女王の国葬に2泊4日というスケジュールでイギリスを訪問されました。政府専用機で羽田空港からロンドン付近の空港まで、約15時間の非常に長いフライトでした。両陛下が空港に到着後、ホテルに入る際に声を掛けられる場面もありましたが、その際も元気な姿をお見せになっていました」
エリザベス女王の国葬前日に行われた国王主催のレセプションには、天皇陛下が一人で参加されたという。
「雅子さまの体調が心配されましたが、両陛下の側近は、夜、『国葬の参列が一番の目的のため、きょうは休養を取って明日に備えられた』と説明しました。エリザベス女王が亡くなった後、日本からは誰が参列するのか、政府は調整に入りました。皇室の慣例で天皇陛下は葬儀に参列しないので、皇嗣(皇位継承順位1位)の秋篠宮さまに参列頂いてはという声も当初あったようです。一方、皇室と英国王室は、昭和天皇のときから3代に渡って深い繋がりがあること、天皇陛下が皇太子時代に英国留学をした際、家族のように接してもらったこと、即位後にイギリスに国賓として招待を受けていたことなど、エリザベス女王に対する深い感謝の気持ちが考慮され、天皇陛下の国葬参列が決まりました。」
日本の皇室と深い結びつきがあるイギリス王室。来年5月6日には、ロンドンのウェストミンスター寺院で新国王であるチャールズ3世の戴冠式が行われるが、これに愛子さまが出席するのではという憶測も出ている。
「宮内庁は愛子さまの学業優先を決めています。今も熱心にオンライン授業を受けられていまして、宮内庁関係者からは課題の提出などで『大変忙しくしている』と聞いております。来年はまだ、大学4年生です。今申し上げた学業優先の理由から、戴冠式の参列は現実的ではないと思います。大学を卒業されたら、本格的に公務のお務めを果たされていくことになるでしょう」