22日深夜、『カンニング竹山の土曜The NIGHT』(ABEMA)が放送され、有事の際の日本の弱みを指摘する場面があった。
この日はウクライナの地を訪れて取材を慣行した報道カメラマン・宮嶋茂樹氏をゲストに招き、数々の写真とともに戦地ウクライナの現状について話を聞いた。
宮嶋氏はウクライナの首都、キーウ入りした際の写真を紹介。「医療ボランティアの取材をする」という名目で、医療ボランティアの車両に同乗する形でキーウへ行くことに成功したが「行ったら帰ってこられない」といった危険性もあり、宮島氏には躊躇もあったという。
夜間は外出禁止令が出ていることもあり、店舗なども閉じているためあたりは真っ暗。竹山が「移動中もミサイルが落ちてくる可能性大ですよね?」と問いかけると、宮島氏は「途中から実際に落ちてくる」と認めて「あとは検問が怖かったですね。『次の検問がウクライナ軍じゃない』という怖さ」と、命がけの移動だったことを明かした。
3月12日にキーウ入りをすると、ロシア軍の侵入を防ぐために街中が検問とバリケードだらけで、警備状況の漏洩を防ぐために「検問とバリケードだけは絶対に撮るな」と注意を受けたそう。
見るなり竹山が「うわうわうわ……」と声を上げたのは、ビルの壁が崩れて中の部屋がむき出しになった写真で、宮嶋氏は「クラスター爆弾を受けた団地」と説明。竹山が「一般市民生活関係なしに爆弾が落ちてくる?」と質問すると、宮嶋氏は認めて「民間人も軍に協力しているから敵だというロシア軍の発想」と、動機について説明した。
【動画】壁が無くなった家で荷物整理をするおじいさん(57分頃~)
さらに宮嶋氏は巨大なビルの壁がすべて吹き飛んでしまっている状態の写真を紹介。直撃したビルが完全に倒壊するのはもちろん、衝撃波によって近隣の建物にも被害がおよぶという。実際にミサイルが落ちてくるときの風切り音も聞いたという宮嶋氏は、当時は写真のような光景がキーウのいたるところで広がっていたと振り返った。
しかし、爆弾が落ちた現場の近くではスーパーは通常営業をしており「肉はハムぐらいでしたけど、ハムも野菜も卵もありました。あとパンとかもありました」と、食料の供給は保たれており、この理由について宮嶋氏は「実はウクライナの食料自給率は140%ある」と説明した。
「それを考えると日本の食料自給率は40%ですから、私はむしろそっちのほうが気になった」と指摘した宮嶋氏は「ウクライナは戦争しても全然食べるものに困らないけど、日本は戦争になって海上封鎖されたら、大戦中で60%でしたからそれより自給率が悪いわけですよね? 東日本大震災のときも東京ですらスーパーから食料品がなくなりました。『1か月も戦争をやったら餓死者が出るんじゃないか?』というのは非常に心配になりました」と、日本の脆弱性に警鐘を鳴らした。