「中国共産党が会社も軍も支配」体制の脆さも? 習近平氏、慣例破りの3期目
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 今月16日から22日まで開かれた中国共産党大会。5年に一度の共産党大会は、党のルールや幹部を決める非常に大事な会議だ。

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 現地では、一体どのような内容が話し合われたのか。ANN・中国総局長の冨坂範明記者はこう語る。

「中国共産党大会は約14億人の国民の中で約9600万人いる共産党の会議です。うち全国党大会代表の2300人が参加し、200人の幹部(中央委員)を決め、その中から更に25人の政治局委員と、7人の政治局常務委員を決めます。まさに中国の今後の5年間を決める非常に大事な会議です」(以下、冨坂記者)

 今後の5年間を大きく左右する党大会。冨坂記者は「政治局常務委員の7人に誰が選ばれるか。やはりここに一番注目が集まっていた」という。

「既存の体制が習近平氏に近い人物だけが固まっているわけではありません。既存の7人のうち何人が入れ替わるのか。習近平氏が自分と近い人を何人残して、今後の政権を進めるのか。そこに注目が集まっていました」

 香港メディアの予想では今回の中国党大会で4人入れ替わる可能性を予想していた。結果として、まずは、習近平氏が党総書記を続投。2番目は上海市党書記・政治局員から政治局常務委員に昇進した李強氏だ。来年3月の全人代では次期首相となる見込み。

 3番目は来年3月に全人代委員長に就任するとみられる趙楽際氏、4番目は同じく来年3月に政治協商会議主席就任するとみられる王滬寧氏だ。5番目にイデオロギー・宣伝担当の蔡奇氏、6番目は次期筆頭副首相が有力な丁薛祥氏、7番目に中央規律検査委員会書記の李希氏が続いた。

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「どのように選ばれるのか、プロセスについては、はっきりわかっていないのが実情です。選ばれなかった人については、引退に近い扱いになるため、決して失脚ではありません。中には習近平氏の代わりに外国に行くなどの公務を任されるケースもあります」

 総書記の側近とも言える最高指導部は、習近平派の独占になったようにも見える。党内や国民から反発の声は出ないのだろうか。

「国民は政治的より現在の生活を重要視しています。中国が経済成長を遂げる中、共産党が舵を取り、中国経済が発展し、現状の生活に満足できれば『習近平氏の続投で良い』という考え方です。習近平氏が続けて来た反腐敗闘争の実績から支持をする国民も多いです。まさに、中国共産党一強の時代です。10年前はかなり自由な立場で意見を言う人もいましたし、マスコミもそうでした。ゼロコロナ政策への批判も高まっていますが、今は共産党への反対意見は『たとえ中国共産党員でなくても難しい』と言われています。習氏は中国共産党が党も会社も軍もすべてを支配すると強調しています。ただ、その反面、誤った判断をした場合の体制の脆さも指摘されています」

 国民からの支持も熱い習近平氏。当面は習近平氏が政権を握るのだろうか。

「習近平氏の体制は2期10年と言われていた慣例を破り、いよいよ3期目に入ります。習近平氏は台湾の統一を最大の目標としており、台湾統一に向けて今後軍事力を強化する動きが加速する可能性も高いです。台湾統一の目標を成し遂げるまでは『政権を握っていたい』と思っているでしょう。その先で、毛沢東氏に並ぶことも見据えています」

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