旧統一教会の問題をめぐる国会答弁で、解散命令の請求基準を「刑事事件に限る」から「民法の不法行為も含まれる」へと、解釈を180度転換した岸田総理。22日のABEMA『NewsBAR橋下』に出演した立憲民主党の小川淳也前政調会長が「岸田さんはフラフラしている」と苦言を呈すると、橋下氏は「立憲民主党もフラフラしている」との見方を示した。
岸田総理に対し、自民党の閣僚経験者からも「重要な判断をコロコロ変えて大丈夫か」などの声があがる中、小川氏は「統治能力を失っているのではないか」と指摘する。
「国家権力を発動するにはいろいろ検討が必要で、一夜で変えていいような軽い話ではない。岸田さんは当初、統一教会関連は『調査すらしない』と言っていたのに、だんだん支持率が下がってきて追い込まれてくるにつれ、いわばまともな判断能力を欠いていっていると思う。ああ言われたら『わかりました』、こう言われたら『わかりました』とフラフラしていて、統治能力を失っているのではないか」
一方で、橋下氏は「亡くなった安倍さんが政治生命を懸けてやられた、安保法制の集団的自衛権の一部限定行使。安倍さんは解釈を変えて法律を作ったが、立憲民主党は『そんな解釈の変更は認められない』ということを言っていたはず。それが今回の宗教法人法になると、憲法と法律の次元は違うにせよ、『解釈を変えろ』と。安保法制は反対だから『解釈の変更は認めない』、旧統一教会に関しては被害者救済のために『解釈を変えろ』と、結論ありきで、立憲民主党もものすごくフラフラしていると思う」との見方を示す。
小川氏が「そこは受け止めなければいけない批判だと思う」と応じると、橋下氏はさらに次のように続ける。
「法律は時代に合わせて解釈が変わってくるから、大枠として僕は解釈変更はありの立場だ。ただ、国会という場で、時の総理が解釈を変える場合は手順を踏まないといけない。文科省に設置する専門家会議で基準を議論して、宗教法人審議会に諮って、内閣法制局の意見を聞いてから解釈を変えるかどうか言うならまだしも、岸田さんは世論にあおられた。そして、立憲民主党も国会の場で変えさせようとやっていることに危険性を感じる。手順を踏んで変えていく、『専門家会議や宗教法人審議会、内閣法制局に意見を聞いて国会論戦しよう』と言うのが攻め方だと思う」
岸田総理の解釈変更は立憲としても意外だったのか。「野党ヒアリングでの議論で、法解釈の変更を要求していたのか、民法上の不法行為を放っておいていいのかという主張を展開したのか。そこは丁寧に、過去の我々の論調を確かめなければならない。自分としては、救済できるような政治判断、法律改正をすべきではないかという主張をしていた認識だ」。
その上で、政府与党の国会対応については“違和感”もあるようだ。「最近、いくつも野党の提案した法律をベースに議論するということで妥結した。幼稚園の送迎バスで子どもが置き去りにされて亡くなった事件で、“置き去り防止装置をつけなければいけない。それを満額、国の責任でやったらどうだ”という法案を提出したら、それも『やります』と。いいことなのだが、政治姿勢としてはグラグラで、『ご自身のポリシーはどうなってるんですか?』と聞きたくなるような、不思議な感じだ」と小川氏。
さらに、この状況を政権交代のチャンスと見ているかを問われると、「単純にチャンスとは言いたくないし、相手が転んでいるのを見て喜んでいるような下衆な連中ではありたくないが、今こそ我々が選択肢にならないといけない局面だと思う」と述べた。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)