韓国での放送から10年以上を経た18年に行われた「もう一度見たい思い出のドラマ」というアンケートで1位となるなど、ドラマ史上に残る名作として知られるラブコメディ『私の名前はキム・サムスン』がABEMAで放送中だ。今見ても、その面白さに引きつけられること間違いなしの伝説的ドラマを、ぜひ、体験してみてほしい。
失恋と失職のショックの中で、高慢な態度のレストランオーナー、ヒョン・ジノン(ヒョンビン)と出会ったパティシエのキム・サムスン(キム・ソナ)は、ケーキの味を認められ、彼の店で働くようになる。その後、見合いを逃れるためにニセの恋人になってほしいとジノンに言われたサムスンは、渋々、その申し出を受け入れる。
最高視聴率50.5%を記録し、大ブームを巻き起こした今作。“サムスン”という古風な名前を持った容姿に自信がない女性が主人公とあって、世界的に人気を集めていた映画にちなみ“韓国版『ブリジット・ジョーンズの日記』”とも呼ばれていた。放送当時の韓国ドラマでは、女性主人公が30歳目前という設定が異例だったが、菓子作りの才能があり、自分の意見もはっきりと口にしながらプライドを持って働くサムスンの、明るく、率直なキャラクターの魅力で、同世代の女性たちを中心に圧倒的な支持を集めた。
体重を8キロ増量してサムスンになりきったキム・ソナはこのドラマでの好演によってテレビ局MBCの演技大賞の大賞を受賞。作品のプロモーションで来日した際には「昔は早く結婚して子供を産んでと、女性が社会に出る機会があまりなかったと思いますが、今は自分にどれだけ自信を持つかというのが、1番大事なことだと思っています」と語り、韓国の女性像の変化を体現したサムスンとのシンクロ率の高さを感じさせた。その後も、市役所の平凡な職員が市長に立候補する『シティーホール』や境遇の違う女性たちの複雑な関係を見せる『品位のある彼女』といったドラマで活躍している。
出会った当初は、きつい言葉を投げつけながらも、徐々にサムスンに惹かれていく御曹司ジノン役は、この作品でトップスターとなったヒョンビン。『愛の不時着』では実績あるスターとしての貫禄を見せていた彼の、初々しい姿や、少しずつサムスンに惹かれていきながら見せるツンデレぶりも見ものだ。ジノンの元恋人を演じたチョン・リョウォン、彼女の主治医に扮したダニエル・ヘニーも、本作によって大きく注目を集めるようになった。ヒョンビンとダニエル・ヘニーは、韓国で今年公開された映画『共助2:インターナショナル』でも共演し、往年のファンを喜ばせた。
愛する人と出会ったことで、自分自身を愛することの大切さにも気づいていくサムスン。その姿は、今を生きる私たちにも勇気を与えてくれるはずだ。
『私の名前はキム・サムスン』はABEMAにて全話配信中。第3話までは無料配信中。
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