AmebaとDonobanが運営するMAMADÉオフィシャルブログでは「心のまま、あなたのままで」というブランドのコンセプト通り、妊娠・育児中のママが自分らしく前向きに心豊かに過ごせるようさまざまなコンテンツを提供しております。
本企画はAmebaNews×MAMADÉの共同企画として、2015年に一般男性と結婚し、2020年に第1子を出産、今年10月27日に第2子となる女の子を出産したお笑いコンビ・ニッチェの江上敬子さんにお話を伺い「不妊治療編」「第1子妊娠出産編」「第2子妊娠編」の3部作でお届けします。
前回は不妊治療のヒストリーをご紹介しましたが、今回はお子さんを授かり直面した「心と体の変化」やコロナ禍での妊娠、出産エピソードについて伺います。
■妊娠が分かると同時にまさかのコロナ禍へ
ーー第1子の妊娠期間中は、つわりなどの初期症状はいかがでしたか?
つわりはかなり軽い方だったと思います。期間も1か月半くらいと短く、気持ち悪いとか食欲がないとか、そういった症状はあったんですが「これなら食べられる」というものは常にあったので、それを食べていました。
ーー第1子をご出産されたのが2020年9月。コロナ過での妊娠、出産だったんですよね。
そうなんです。妊娠が分かったのが2020年1月で、翌月にはクルーズ船の集団感染のニュースが流れ、あれよあれよというまに世界中がコロナで大騒ぎになりました。
仕事が次々とリモートに切り替わって、ロケの収録も怒涛のキャンセル。コロナの実態がわからず、外出も怖くて、ひたすら怯えていましたね。
■「こんなダメ人間に子育てができるのか?」妊娠中に軽いうつ状態に
ーーただでさえ情緒不安定な妊娠時期に、コロナ禍での想定外の不安も重なって、大変だったことと思います。
そうですね。「妊婦がコロナに疾患したらお腹の赤ちゃんに後遺症が残るのか?」とか、とにかく不安で押しつぶされそうでした。
妊娠6か月目くらいのとき、気持ちがズーンと沈み込んでしまい、うつっぽくなった時期もあったんです。
ーーそのときはどのような状態だったのでしょうか?
働けず、ろくに家事もできず、社会から取り残された気がして……。「私なんて生きてる価値ない」とふさぎ込んで、嫌なことをたくさん考えてしまいました。「こんなダメ人間に子育てができるのか?」と不安でいっぱいでしたね。
一時期は、真っ暗な部屋にいた方が落ち着くような気がして、朝から晩まで電気をつけずにずっと横になっていて、19時頃に帰宅した夫に驚かれるなんてこともありました。
普段はタフな私も「もしかして、これってうつ?」とドキっとしました。今振り返ると「そんなに悩まなくても……」ってことも多いですが、当時はホルモンの乱れに体が支配されていたんだと思います。
■暗黒期を救ってくれた韓流ドラマ
ーー普段の江上さんの明るい印象からは想像がつきません。どうやってそのつらい時期を乗り越えたのでしょうか?
韓流ドラマには救われましたね。『愛の不時着』とか、ドラマに没頭している時間だけは、すべてを忘れて現実逃避できたんです。「このドラマが終わったら、次はこれ」という感じで、とめどなく見続けていました。
鬱々とした気持ちや暴れているホルモンをピンク色の甘い恋愛ドラマが「サランへ〜(愛してるよ〜)」って包み込んでくれたんです(笑)。
ーー(笑)。夢中になれるものがあるのは気分転換になりますね。ほかにも効果的だったリフレッシュ方法はありますか?
妊娠期間中は、週に1度くらいの頻度で友達とビデオ通話をしていました。
家事をしながら、昼ごはんを食べながら、たわいのないことで笑ったり、先輩ママに悩みを相談したり。外には出られないけど、人と話すことがものすごい気分転換になりました。
■無痛分娩のはずが自宅で破水!予期せぬ壮絶出産
ーー先ほど、旦那様の立ち合いは叶わなかったと伺いましたが、出産時のときのことを教えてください。
それが、まったく想像もしていない怒涛の出産になっちゃいまして。
もともとは無痛分娩を希望していて、陣痛がきたら病院に行って、麻酔を打ってもらうという段取りで打ち合わせをしていたんです。
ところが、自宅で破水をしてしまって。24時間以内に産まなければ、赤ちゃんに細菌感染のリスクがあるということで、急いでタクシーで病院に向かい、即入院、出産ということになりました。
ーーなんと……!そこからどうなったのでしょうか?
「いつ麻酔をするのかな?」と思っていたら「麻酔を入れると出産に時間がかかる可能性があるので、限界まで陣痛を我慢して、それから麻酔をしましょう」と言われたんです。
はじめての出産だったので「限界って、いったいどこまで……?」とパニックになりつつ、8時間ほどの陣痛に耐えました。夫にもこの苦しみは絶対に見せておきたかったので、陣痛中はずっと彼とビデオ通話をしていましたね。
ーー陣痛中にビデオ通話というのは臨場感が伝わりますね!
大変さを分かってもらうために通話中に「痛えぇ~!」って少しリアクションを盛ったら、夫が「大丈夫か!?」と大慌て(笑)。でもほんと苦しくて、大粒の汗が顔から吹き出るのを見て自分でもビックリしました。
それでも子宮口が5センチしか開かなくて。しかも赤ちゃんの頭が大きくて、子宮口に引っかかって、なかなか降りてこれなかったんです。
助産師さんが、赤ちゃんの頭がどのくらい出ているか指を突っ込んで調べてくれたんですが、これがもう目から星が飛ぶくらい痛くて衝撃でした。そのあと麻酔をしたらスッと痛みが消え去って「麻酔の力はすごい」と実感しましたね。
そこからは順調にいくかと思いきや、赤ちゃんが一向に降りてこず、今度は私が39度の発熱をしちゃったんです。
ーーえぇっ、発熱ですか!一体なにが原因だったのでしょうか……?
破水からしばらく時間が経ってしまい、細菌感染による発熱でした。母体の体温が上がると、赤ちゃんの心拍も上昇して危険な状態になるリスクがあるらしく……。
赤ちゃんの心拍を確認する機械が「ビーッビーッ」って、けたたましく鳴るんですよ。ギョッとして「助産師さーん!」って叫んだら、複数の氷枕で私の首や脇に当ててくれました。熱が下がると音が止まって、熱が上がるとまた鳴って……。それを一晩中繰り返しました。
結局、朝になっても赤ちゃんが1センチもおりてこず、緊急帝王切開をすることに。そこからは早くて、30分後にはお腹を切って、3,500gのビッグベビーを無事に出産しました。
30分だけ面会を許された夫が息子を抱っこする様子を見て、じんわりと温かい幸せに包まれましたね。いや〜それにしても、壮絶な戦いだったなぁ(笑)。
■「情緒不安定になるのは、全部ホルモンのせい!」
ーーまさに怒涛の出産だったんですね。無事に息子さんが生まれて本当によかったです!産後は、心や体に変化はありましたか?
コロナ禍の育児も大変なことが多くて、産後うつみたいな状態にもなりました。子どもが保育園で風邪をもらってきて、それが大人にもうつるじゃないですか。咳や鼻水が出るのを繰り返したときに、これがコロナなのかなんなのかわからず、体調不良が続き「なにもかも嫌だ!」って落ち込んで、母に電話して泣いたこともありましたね。
ーー大変でしたね……。いまなら当時の自分にどんなアドバイスを送りますか?
「妊娠中や出産前後に情緒不安定になるのは、全部ホルモンのせいなんだよ」って教えてあげたいです。料理ができないのも、掃除ができないのも、気持ちが塞ぎ込むのも、ぜーんぶホルモンのせい!だから自分を責めないであげてって。
脳内で“ホルモンちゃん”のキャラクターを作って「お前のせいだ!」ってモヤモヤをぶつけちゃえばいいと思います(笑)。
第2子妊娠中のコロナウイルス感染など、気になる続編はMAMADÉオフィシャルブログにも掲載します。ぜひチェックしてみてくださいね。