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 久々の主演映画『天上の花』(12月9日公開)の公開を控える俳優の東出昌大。今年3月からフリーランス俳優となり、山籠もり生活を送りながら俳優活動をリスタートさせている。フリーになって以降も主演映画や出演映画が続々と製作されている東出が、心機一転の面持ちで現在の山籠もりライフはもちろんのこと、騒動渦中の心境を飾ることなく実直に打ち明けてくれた。

【映像】東出昌大、極端にお金を使わない山生活を語る

騒動渦中にエゴサーチ「自分がどれだけの人を悲しませるようなことをしたのか」

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──徐々に出演作が増えている東出さんですが、騒動の渦中はどのようなお気持ちでしたか?

匿名の方々から色々なことを言われたし、自分自身を責めて後悔もしました。でもその中で一番しんどかったことをメディアで話すつもりはありません。騒動の原因は家庭内に集約されるので、プライベートな問題だからです。僕が何を後悔し、何に最も心を痛めたのか、それを公の場で軽はずみに話すべきではないと思います。…ごめんなさい。

──こちらこそすみません。土足で踏み込むようなことを聞いてしまい…。

いえいえ、気にしないでください。騒動の渦中にはエゴサーチをしたこともあります。自分がどれだけの人を悲しませるようなことをしたのか、報道を目にしてそれを自責の念に転換するために全部を見てみようと。でも…何というか、見ていいことは何もありませんでした。今はエゴサーチしようとは思いません。そもそも住んでいる場所が圏外。ネット環境があるところまでは斜面を下ったり登ったりしなければいけませんから(笑)。

──渦中当時に支えになった言葉とか支えてくれた人はいましたか?

スキャンダルが報じられた当時はとてつもないプレッシャーを受けていましたが、与えられている仕事は最後までしっかりと務めなければいけない。そんなときに色々な人が助けてくれたし、助言もくださいました。胸に刺さった言葉や自分の心理状況や置かれていた状況は、たとえ今言葉を尽くしたとしても人には伝わらないと思います。印象深いことはありました。別の現場で、撮影中に道を歩いていたら、見ず知らずのおばちゃんに「死なないでね!応援しているからね!」と言われました。別に死んでしまおうと思っていたわけではないけれど、その言葉をかけられたときに「こんな風に思ってくれる人もいるのか…」と目から鱗が落ちました。

山籠もり生活もエンジョイ「とにかく色々な方が遊びに来るので騒がしいです」

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──山籠もり生活には慣れましたか?冬の対策は万全ですか?

冬になると閉ざされて車も登ってこられないような環境になり、周囲から信じられないくらい人がいなくなります。昨年から今年にかけての冬もそこで過ごした経験があるので、今年も生き延びることができると思います。電気は通っているけれどガスはないし、水道は山から引いています。東京から遊びに来る友達は僕の生活スタイルを目の当たりにして「はあ~、なるほど…」と言葉を失いますが、そこまで凄いことをやっているわけではありません。村の方々に囲まれてお世話をしてもらっているので、思いのほかエンジョイしています。都会と違って山での生活は知識が増えると食べるものも増えるので、今年の春は野草や山菜祭りで、今年の秋はキノコ祭り。知識が生活の豊かさに直結するのも山ならではの魅力です。昨日はイノシシを撃って捌いてモツ煮を作って食べました。すごく美味しかったです。

──いわゆる自給自足という日々ですか?

このような話をすると、記事に「自給自足」と書かれてしまいがちですが、僕自身はまだその言葉には当てはまらないと思っています。車も使っているし、チェーンソーも使っているし、ゼロからすべてを作り出すという意味からは程遠い生活です。鉄砲の玉だって既存の商品を買って使用しているわけですから、僕なんてまだまだです。

──猟師としての腕前のほどは?

猟師としての腕前は免許を取得して4年くらいしか経っていないので、まだまだ新人です。東京から遊びにくる友達は僕が狩りをしているところを見たがりますが、いざ目の前で鹿とかを仕留めたりすると、命に対して深く考えることがあるみたいです。

──山での生活というので仙人のような孤独ライフを想像していましたが、そうではなさそうですね!

そうですね。地元猟友会のおじさんたちや同年代の狩猟仲間や役者仲間など、とにかく色々な方が遊びに来るので騒がしいです。一人になりたいと思うくらい頻繁に人が訪れるので寂しさはありません。静かなのは夜くらいで、たまに鹿の遠吠えで起こされたりします。山生活に不便さは感じないので、仕事面でも通える限りは山から通いたい。生活基盤はこれからも山にしていきたいです。

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取材・文:石井隼人 
写真:You Ishii

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