26日深夜、『カンニング竹山の土曜The NIGHT』(ABEMA)が放送され、北朝鮮の過酷な医療事情について明かされる場面があった。
この日は日本でYouTuberとして活動する脱北者のキム・ヨセフさんをゲストに招き、外からは見ることのできない北朝鮮での暮らしや脱北の経緯などについて話を聞いた。
番組では北朝鮮の医療事情に関する話題となり、竹山が「病院はあるんですか?」と問いかけると、キムさんは「一応あります」と回答。医療費は無料であるものの「質がついてこないというか、薬もない。病院でちょっとした手術をしても麻酔がない」と、常態的に医薬品が不足しているため、数針縫う程度の手術では麻酔を使わないと説明。
女性の中絶手術も麻酔なしだと話を続けるキムさんに、ゲストの宍戸里帆は避妊具について問いかけると、キムさんは「コンドームは聞いたことがなかった。避妊という意識がない」と驚きの回答をする。北朝鮮は男性中心の社会のため、女性側が避妊するしかないのだという。
竹山が「ということは、性暴力が多い可能性もある?」と質問を投げかけると、キムさんは「性暴力、という概念もほとんどなかった」と、そもそも性暴力が悪い行為としての認識さえされていない実情があったことを明かした。
「出産のときに亡くなる女性も多いということ?」という問いにキムさんは「日本とか医療が進んでいる国とくらべたら、死亡する確率が高い」と、出産のリスクは高いと説明した。
新型コロナウイルスについて、竹山は北朝鮮では多くの感染者がいるのではないかと推測して「相当命を落とした人もいるということですよね?」と聞くと、キムさんは、北朝鮮は今年に入ってからコロナの感染を認めたものの、それ以前はただの風邪として扱っていたと解説。厳しい医療体制のため「どれくらいの人が亡くなったかはわからない」と語った。
「人民のなかで、医者や看護師になりたい人は?」という質問に、キムさんは北朝鮮の医療関係者は国から給料が支払われないこともあり、国連から支援された医薬品を裏ルートでさばいたり、賄賂をくれる相手に優先的に使用するといった行為に走ると答えた。
竹山の「賄賂がはびこっている社会になっている?」との問いに、キムさんは「自然にそういう風に流れてしまう。一生懸命働いたところで報酬が入ってこない」と、社会の腐敗によって生じている現象だと解説した。