26日深夜、『カンニング竹山の土曜The NIGHT』(ABEMA)が放送され、300万人が餓死したという北朝鮮の食糧危機の凄惨さを体験者が語った。
【動画】食糧危機で家族が亡くなった当時の様子(1時間5分頃~)
この日は日本でYouTuberとして活動する脱北者のキム・ヨセフさんをゲストに招き、外からは見ることのできない北朝鮮での暮らしや脱北の経緯などについて話を聞いた。
北朝鮮は1990年代半ばに経済難に陥ったそう。きっかけは「ソ連崩壊」「自然災害」「金日成死去」で極度の食糧難になり、キムさんの家族を含めた200万人から300万人、およそ人口の10人に1人が餓死したとキムさんは説明した。
竹山が「その時代はどんな様子でした?」と尋ねると、キムさんは「2日ぐらい何も食べられずに、部屋の中で横になってずっと天井だけを見ていた。『誰かが食べ物持ってくるんじゃないかな』と思ってずっと待っていて、(天井を)見ていると見えなくなるんです。何も見えなくなって。というのがずっと繰り返し」と意識も絶え絶えだったと説明。
「なんでも食べ物があったら食べたくなる。最初はすごく痩せて骨に皮がついているようになる。それで草を食べたりなんでも食べたりすると、毒などによって体が腫れたりする」と、アフリカなどの食糧危機を特集する際に映し出される子どもたちと同じような状態になっていたことを明かした。
また、朝起きるたびに亡くなった人の遺体があちこちで見つかり、それが身元を確認されることもないまま埋められていったという。キムさんは「いちいち確認もできないし、どこの誰かもわからない」と、物乞いをするために外に出るたびに凄惨な光景を見続けてきたことを明かした。
この食料危機は1、2年続き、キムさんの母と姉3人が餓死。キムさんは「北朝鮮政府は(死者は)30万人ぐらいと言っているんですけど、30万人どころではない。人口の10人に1人ぐらいは亡くなったのではないか」と改めて解説した。
家族を亡くしたときのショックについて「相当なものでした?」と問いかけると、キムさんは「ショックよりは『自分もいずれあんな感じで死ぬ』ということだった」と、当時は極限状態のあまり、死を悼む気持ちにすらなれなかったことを告白した。
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