杉田水脈議員が“過激発言”撤回&謝罪、なぜ今さら? 元同僚&知人が語る人柄 「差別されているふりをして利権を得ようとする人に拒否感を持っている」
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 総務大臣政務官の杉田水脈(みお)衆院議員が12月2日、衆院予算委員会で、自身の過去の発言を謝罪した。

【映像】元同僚&知人が語る杉田水脈氏の人柄

 杉田氏は2016年、ブログで「チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場。完全に品格に問題があります」などと投稿(現在は削除)。『新潮45』2018年8月号に、LGBTカップルについて「生産性がない」などと寄稿していた。謝罪したこれらは、どちらも数年前の出来事だ。

 11月30日の参院予算委員会では、冒頭のブログを投稿した当時は「国会議員でなく(落選中の)一般人」とし、「当時一般人だった私が、このような感想を持つのは仕方がなかった」と発言するも一転、謝罪のうえ、表現を取り消すと表明した。しかし、コミンテルン(国際共産主義運動の指導組織)と結びつけて「保育所で洗脳教育」などと記した2016年のコラムについては、撤回するも、謝罪はしなかった。

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 元日本テレビ解説委員でジャーナリストの青山和弘氏の取材によると、自民党幹部からは「(杉田氏は)本当に保守派なの?」「普段はおとなしくていい人。ネット上の彼女の発言・パフォーマンスは想像がつかない」といった声も出ているという。

 では、杉田氏の行動原理は、どのように作られたのだろうか。政界に入る以前は、兵庫県西宮市役所に勤務し、総合企画局・子育て支援などを担当していた。当時の同僚が『ABEMA的ニュースショー』の取材に振り返る。

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「杉田氏が公務員になったのは、母親から『公務員になれ』と言われたからと聞いた。確かに市役所内でも目立ちたがりで、キャラクターは今と変わらなかった。自分の意見を押し通すようなところがあり、市民と取っ組み合いになったことも」(市役所時代の元同僚)

 政治家転身の際には「地方行政の現場で閉塞感や疲労感を感じる。他人より先に自分が動かなければ」と語っていたと、元同僚は明かしている。現在まで親交の続く、高校時代からの知人・山田氏(55)にも話を聞いた。

「本当に困っている人は助けないといけないが、『私は弱い人です。差別されているんです』と言いながら、『お金をください』『仕事ください』『団体に仕事よこせ』という人が、行政の現場にはいっぱいいる(というのが杉田氏の持論)」(山田氏)

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 「みんなの党」から、旧「日本維新の会」を経て、2012年に衆院初当選。旧維新の分党で「次世代の党」へ移るも、14年の総選挙で落選。落選中には『なぜ私は左翼と戦うのか』(2017年、青林堂)と題した自著も出版した。

「差別する人じゃない。蔑視もしていない。ただ『私は差別されています』というふりをして、利権を得ようとする人たちに対しては、すごく拒否感を持っています。本当に正義感が強くて、まっすぐで悪いことを許せない」(山田氏)

 自民党へ移籍して、2017年の総選挙で比例当選。安倍晋三元総理から誘われ、現在の「安倍派」に入会した。

「櫻井よしこ氏と安倍氏に見出される形で自民党に入った。杉田氏は西宮市役所出身なのに、(安倍氏の地元である)山口県連に所属して、比例代表・中国ブロックで出馬(西宮市は近畿ブロック)。これは『安倍元総理の庇護(ひご)のもとに置いている』という以外、なにものでもない」(青山氏)

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 返り咲き以降は「安倍ガールズ」の一員として活躍。青山氏によると、安倍氏は「自民党は保守政党であり、保守的な発言をする議員がたくさんいるべき」との考えから、保守の人材を次々と確保していた。女性で保守的な発言をする人は珍しく、安倍氏にとって杉田氏は「非常にありがたくてかわいい存在」だったと考察する。

 青山氏の取材によると、強い保守層には「『左翼』(と彼らが呼ぶ勢力)にとって謝罪・撤回は、終わりではなくて始まり」との認識があるという。従軍慰安婦や南京大虐殺など、謝罪によって、さらに攻撃を強めてくるため、どこかで防衛線を引かないと追い込まれてしまうというのが、マインドセットとなっている。杉田氏は「保守論客」としての立ち位置が存在価値である以上、それを売りにし続けなければ、国会議員で居続けられないと考えているのでは、と青山氏はみている。

「普段は『ちょっとおとなしい』という(評価をしている)人でも、ビックリするようなことを言う。しかも知識に基づいていないので、かなり過激なことを言う。自民党内で保守と言われている人からも『さすがにあれはまずい。なんとかして』との声が高まっている」(青山氏)

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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