安楽死を直前で中止した31歳女性、当時の心境を明かす「父は嗚咽をもらして泣いていた」
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 10日深夜、『カンニング竹山の土曜The NIGHT』(ABEMA)が放送され、安楽死を選択した人物がそれを直前で中止した理由について語った。

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安楽死を直前で中止した31歳女性、当時の心境を明かす「父は嗚咽をもらして泣いていた」
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 この日は『私の夢はスイスで安楽死』(彩図社)の著者、くらんけさんがゲストとして登場。くらんけさんは幼少期に発症した難病のために人生の大半を治療に費やし、その苦しみから逃れるためにスイスでの安楽死を選択。しかし最終的に死を選択せずに帰国しており、その思いを著書に綴っている。

 安楽死のために2021年8月30日にスイスに渡ったくらんけさんは、医師との面談や決行日直前の「クールダウンの日」を経て、9月2日の「安楽死決行日」を迎えた。

 当日は朝の8時にホテルの迎えの車が来て、団体の施設へ。医師が最後の意思確認、最終確認の書類へのサインを経て、まずは「吐き止めの薬」を飲んでベッドに移動。死ぬための薬が入ったコップを渡され、くらんけさん自身がストローで一気に飲み干すという流れになっていた。

安楽死を直前で中止した31歳女性、当時の心境を明かす「父は嗚咽をもらして泣いていた」
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 くらんけさんに迷いはなかったものの、同行していた父親はスイスに到着してから情緒不安定になり、涙を流したり「手を握って」といった普段はしない言動をするようになったそうで、くらんけさんは「そっちに対してすごく不安とか『いいのかな?』という迷いはありました」と告白。

 実際に吐き止めの薬を飲み、死ぬための薬を口に含むか含まないかの段階までいったというくらんけさん。すると父親がくらんけさんに対して、笑顔で「いろいろありがとね」と語りかけてきたという。

 そのときについて、くらんけさんは「私の手を握っていた手がすごく冷たくて、すごく力が強かったんです。それらを客観的に見ながら、いままさに薬を口に含むか含まないかぐらいのところまでいっていて『本当にいいのかな?』というのがすごく強くなった」と、心境が変化していったそう。

 「ギャップが余計そうさせたのかもしれないです。『ありがとね』って言っているんだけど、本当はそう思ってないというのが手を握っている手の強さとかでわかってしまったから。すごく『本当にこれでいいのかな』という思いが出てきてしまって、なかなか薬を飲み込めなかったんです。というのでちょっと時間が経っていたら、向こうの先生が『まだ死ぬべきじゃないね』という話になって」と、医師が制止するまでの経緯を語った。

 くらんけさんによると直前のサインをする際、医師に「父がそういう風に不安定な状況だから、自分は死にたいんだけど、親のことを考えるとやっぱりちょっと揺れてしまうんですよね」と発言。医師はその言葉や総合的な状況を踏まえてストップをかけたのではないかと推察した。

 「『中止だ』とお医者さんが言って、お父様はどうなさりました?」と質問すると、くらんけさんは「ものすごい勢いでハグというか抱き着いてきて、嗚咽をもらして泣いていました」と回顧。

 竹山は「ほっとしたんでしょうね、多分。お父様のなかでは張り詰めたものがずっとあったんでしょうね。当たり前だと思いますけど、娘さんだから」と父親の思いを想像して「たまらないですよね、話を聞くだけでね」とコメントした。

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くらんけさんのTwitter:@IrreKranke

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