偉大なる冒険家・植村直己さんが行った北極横断1万2000km犬ゾリ単独旅の秘話が公開された。植村さんと犬の愛情を感じさせるストーリーに視聴者からは「心底感動」「凄すぎて泣いちゃう」などの声がネット上に寄せられた。
『ナスD大冒険TV』では「天空のヒマラヤ部族 超完全版〜よみがえる冒険家の物語 前編〜」と題した企画が放送。冒険家・植村さんに関する貴重な映像を、ナスDが会社の倉庫で発見したことで、公開に踏み切ったという。
植村さんは1941年生まれ。明治大学山岳部に入部し、登山に没頭するあまり年間120〜130日間は、山の中で過ごしていたという。1970年、日本人初のエベレスト登頂に成功し、同年29歳という若さで世界初の五大陸最高峰登頂者となった。1984年、冬季マッキンリーで消息不明となり、同年に国民栄誉賞を受賞している。
そんな植村さんが1978年に行ったのが、北極圏のグリーンランドからアラスカまでの1万2000kmを犬ぞりで横断するという途方もない挑戦だ。番組ではそんな植村さん自身が収めた映像と手記に基づく局地探検の記録が公開された。
マイナス40度の世界では羽毛服を毛皮で包んでも体に震えがくる程に寒いという。そんな中、植村さんが氷の世界で、火を起こしあたたかい飲み物で暖を取る様子も。
植村さんと犬たちは一心同体だ。というのも「疲れた」を理由にムチを怠った瞬間に異次元の寒さに襲われ命を奪われるからだ。
そんな犬たちも、体を酷使している。途中途中で植村さんは足を傷つけた犬たちに応急手当てを施していたようだ。ズボンを破り、ハンカチ大の大きさにして足袋を作ってあげたという。植村さんは「痛みに耐えている犬たちを見ていると哀れでならない」と手記に綴った。
165日間を費やして約半分の6000kmを単独走破したという。その後、合計1年半でアラスカまでの1万2000kmの走破に成功したそうだ。
植村さんの手記によると何度も“命を失う”と覚悟した瞬間があったそうだ。それでも「誰も成し遂げたことのないことをやり遂げる」という意思で、自分との戦いに打ち勝ち無謀な挑戦を成功させたという。
もちろんそこには犬たちへの多大なる感謝の気持ちが含まれているのだろう。視聴者からは「全然知らない世界を知れるナスDありがとう…」「すげえな植村さん、ナスDが憧れるのもわかる冒険家だ」などの声がネット上に寄せられていた。
(ABEMA『ナスD大冒険TV』より)