2022年11月に赤坂アカ（あかさか あか）氏が「週刊ヤングジャンプ」での連載を完結させ、物語が大団円を迎えた「かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜」。コミックスは28巻まで発売されてシリーズ累計部数が2200万部を突破、TVアニメは2022年４月から６月にかけて第３期「かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-」（以下、「ウルトラロマンティック」）が放送されたばかりという、大人気学園ラブコメ作品だ。
そして2022年12月17日（土）からは、TVアニメ第３期の続編となる「かぐや様は告らせたい-ファーストキッスは終わらない-」（以下、「ファーストキッス」）が劇場にて特別上映中。この記事では本作の声優陣の中から四宮かぐや役の古賀葵（こが あおい）、藤原千花役の小原好美（こはら このみ）、伊井野ミコ役の富田美憂（とみた みゆ）へのインタビューを実施。第３期の感想や「ファーストキッス」の見どころについて、存分に語っていただいた。
――では最初に「ウルトラロマンティック」の感想からお聞かせください。
古賀：そうですね、やっぱり原作を読んでいても、クライマックスシーンをアニメーションとして見られるのがすごく嬉しかったところでしたし、自分としてもいろんな想いを持って挑ませていただいたので、最後のあのシーンを見られたのは感慨深いですね。「今までのかぐや、本当に頑張ってきてよかったね、みんなに出会えてよかったね」という気持ちでいっぱいになりました。
かぐやと会長（もう１人の主人公で生徒会長の白銀御行）のストーリーがちょっと進んだというのもありますし、あと１年生たちのお話で「おや？」というのが出てきたりもしたので、またこれを見て先が気になるところもあったり。でもすごく、ここまでみんなで駆け抜けられて本当に良かったなー、と思う気持ちでいっぱいですね。
小原：役者としては、純粋にここまで（長期間）できるってことの嬉しさを感じていました。あとは、かぐやと会長がやっとここまで来たか……という感慨がダイレクトにありました。
原作の赤坂先生が「ここ（「ウルトラロマンティック」）までアニメとして見られたら嬉しい」ということを……第２期ぐらいかな、どこかのタイミングでそう仰っていたんですよ。ただ我々も、そのお話を伺っている当時は、まさか第３期で「ウルトラロマンティック」の時計塔のシーンまでできるとは思っていなかったので、私たちもそうですけど、赤坂先生の夢が叶えられた瞬間なんだなと思うと、本当に嬉しいなって。
原作ファンの皆さんからも「やっと見られた」というご感想をいただく機会が多かったので、みんなの夢が叶った瞬間だったな……というのは第３期を終えてみて感じましたね。
富田：私も率直にここまで映像として、私たちが見られたのもそうですし、皆さんに見ていただけたことも幸せで嬉しいことだなと思います。やっぱりどのキャラクターも第３期の最終回まで見ると、第１期の第１話のころから……ミコ的には第２期の途中からなんですけど、各々がすごく学生なりに成長しているな、と。
その成長の一区切りを見ることができた最終回だったかなと思うので、未だに家のテレビで録画した最終話が消せないんですよ（笑）。だから私の声優人生の中でも、あの「ウルトラロマンティック」の最終回は忘れられないお話になったと思います。
ミコ＆石上（生徒会会計の石上優）の１年生コンビには、第３期の最終回で落とし物のシーンという見せどころがあったんですけど、ミコ個人の見せ場としては、キャンプファイヤーのことで学校の周辺の方に「お願いします」と一軒一軒頭を下げに行くとか、すごく頑張っていて。その頑張りが報われたなと思える最終回でもあったので、ミコを演じている身としては素直に嬉しかったです。
ミコの努力に見合った結果を最終回で見ることができて、すごく良かったなと思いました。
――そんなロマンティックな最終回後の新作エピソード「ファーストキッス」が特別上映されるということで、各キャラクター目線からの見どころを教えてください。
古賀：今回の新作は「ウルトラロマンティック」を経て「さあ、ここからどうするの？」というステップのエピソードで、かぐやがやっと自分と向き合えて「ここからは会長と向き合っていかなきゃ！」となる話です。なので、今までのTVシリーズと同じような和気あいあいとした感じもあるんですけど、自分の中ではまたちょっと今までと違うな……という感じがしています。
その覚悟というか、相手に向かい合う感じがすごくよく描かれているので、そこはぜひかぐやの思いに注目して見てほしいですね。かぐやとしての自分のさらけ出し方と、会長が思うこれからの２人のあり方にすれ違いがあって、どうやってこの２人の思いが合わさっていくのか……みたいなところも注目してほしいポイントです。かぐやもすごく葛藤したりするんですけど、会長の心情が演じていてグッと来るところがたくさんあったので、ぜひそれらのシーンを見ていただきたいなと思います。
もし見てくださる方に大切な人や、向き合いたい人がいれば、その人のことも考えながら見てもらえると、また深い思いが募るんじゃないかと思っております。あと「ファーストキッス」では、かぐやがまだ見せていなかったいろんな表情が多く見られますが、自分なりにすごく挑戦した部分でもあったので、そこもすごく見てほしいですね。
小原：私は藤原としてこの作品に携わっている以上、一番見てしまうのはかぐやさんで、実はアフレコも古賀葵ちゃんとほぼほぼ一緒だったのもあって、「四宮かぐやを演じている」のではあるけれども、「古賀葵」を見ていました。だから、どうしても追いかけてしまうというか、演じている姿とでき上がった映像の（かぐやの）表情が一緒だったり、動きがちょっとリンクしていたりした時もあって……。
自分との葛藤からもがいているシーンとか、そこは彼女が演じるからこそ出るかぐやの魅力がギュッと詰まっていると思いました。まだまだ成長しきれていないかぐやが、どう自分で心を変えていくか、あるいは会長に変えてもらうか、というところは見ていただきたいです。
あと、ちょっと映像を見させていただいたんですけど、「かぐやちゃん」がかわいいです！ よく知っているからこそ言えるんですけど、かぐやちゃんもう古賀葵そっくりだよ！（笑）
古賀：違う！ 違うよ！（笑）
小原：まあとにかく、癒されるなと思いましたね。今回の作品においてはいろんなかぐやの表情が見られるので、一番はそこかなと思います。
古賀：ママ……（小声）。
小原：うん、そっくり。かぐやちゃんと古賀葵。
――予告編の「かいちょ、おはよ」も最高でしたね（笑）。
小原：あんなもんじゃないですよ？ ヤバいですよ（笑）。
――上映されるのが楽しみです。では最後に富田さんお願いします。
富田：今回の「ファーストキッス」では、特に後半はミコや石上が会長とかぐやを一歩引いたところから見ているのですが、演者目線としてもそうだった気がしていました。
今までの第２期・第３期で、私としてはミコと突っ走ってきたところから、それこそ古川（白銀会長役の声優・古川慎／ふるかわ まこと）さんとあおさん（古賀）を客観的に見ることができた感じがすごくあったんですよ。さっきここちゃん（小原）も言っていたんですけど、完成した映像の最初の30分を見させていただいて、何かもう思わずポロっと「あおさん、すごい……」と出てしまうくらい、本当に素晴らしいお芝居をされるなあ座長は、って（笑）。
なので今回はあおさんの演じ分けもとても見どころだなと思いますし、やっぱりかぐやと会長が「ウルトラロマンティック」を経たその先に、次どうするのかという２人の動きも今回の一番の見どころだなと思うので、ぜひ皆さんもいい意味で振り回されながら見ていただきたいなと思います。
各キャラクター目線から見ても、かぐやの演技およびかぐやと白銀会長との関係が見どころだという「ファーストキッス」。特にかぐやの演技については、小原、富田が異口同音に力説していたので、視聴時に注意して聞いてみると、より特別上映編を楽しめるのではないだろうか。
『かぐや様は告らせたい-ファーストキッスは終わらない-』
12/17(土)より特別上映中
【配給】
アニプレックス
(C)赤坂アカ／集英社・かぐや様は告らせたい製作委員会
テキスト／リューヤ
「かぐや様は告らせたい」原作漫画
