88歳ながら現役ジャーナリストとして最前線にいる田原総一朗氏。10日の『NewsBAR橋下』に出演し、岸田政権と野党のあり方について、橋下徹氏と議論を交わした。
14日に岸田総理と面会する(放送時点)という田原氏は、「日本の最大の問題は経済。物価が上がって円安でみんな苦しいから、経済を改革しろと。1対1でこれやれ、あれやれと5つばかり言う。やらなかったらやめろ(と言う)」との考えを示す。
また、日本的経営の抜本的な改革も必要だと指摘する。
「年功序列、終身雇用、これはダメだと。60代が社長になっても意味がない。年功序列をやめて、いい人材は40代でガンガン社長にする。それと、アメリカやヨーロッパみたいに、正社員でもリストラにできるようにしなきゃいけない。日本はそれをできなくしちゃったんだよ」
一方、橋下氏は「それは解雇規制の緩和をやらないから。そもそも正規と非正規の同一労働同一賃金をやらずに非正規を認めたことが間違い。非正規の人を正規にする、正規の人を非正規にするというように、同一労働同一賃金でどんどん入れ替えるようなシステムにしないといけないが、日本の政治にはできない。その仕組みを大阪でやろうとしたら、“クビ切り法案”“クビ切り特区”“橋下はクビ切りを認めているのか”と批判が出て、国も法律を整備してくれなかった。これは批判するメディアも悪いと思う」と述べた。
これに田原氏が「逆に言うと、維新の弱さ。維新は大阪では力があるが、なんで全国に広がらないのか」と尋ねると、「大阪の19選挙区のうち、維新が15人候補者を出して全員通っている。自民党は0で、大阪では完敗だ。吉村さん(府知事)や府議会議員、市会議員は全国で活動なんてしないので、国会議員がやらなければいけないことだ」と橋下氏。
さらに維新の弱さを指摘する田原氏に、橋下氏が問い返す。
橋下氏:では、維新はどうしたらいいんですか?
田原氏:国民民主党か立憲民主党を口説いて、やらせないといけない。
橋下氏:やっぱり政治には人間の好き嫌いがあって、なかなか一緒にやるのは大変。田原さんは立憲が一緒になれと言うんですか?
田原氏:一番いいのは、自民党と組むのがいいと思う。維新の言いたいこと、やりたいことを自民党にやらせればいい。
橋下氏:それをやるとたぶん、選挙で負けちゃうでしょうね。
田原氏:だけど、選挙が怖かったら何もできない。
ここで橋下氏が提唱するのは、野党の予備選。「田原さんの時代は、国会議員が永田町で飲み食いして話をしながらグループをやろうとしていたが、これは国民がついていかない。象徴的な選挙区で、維新と立憲と国民と共産が候補を出して、それこそ世論調査でどの党がいいのか、野党間で予備選をやったらいいじゃないですか」と述べる。
田原氏が「野党の大失敗は、この間の選挙で立憲が共産党と組んだこと。両党とも(議席を)減らしてしまった」と指摘すると、話題は共産党との歩み寄りに及んだ。
橋下氏:共産党って名前をつけたままで政権に入るなんてことは、国民は「それはちょっと待ってよ」と思っているでしょう。
田原氏:なんで共産党が怖いの?
橋下氏:怖いというよりも、共産党ということは資本主義の社会を真逆にするのかと。共産党の人たちに聞いたら、彼らは社会主義だなと思いますよ。だから名前を変えたらいいじゃないですかと。
田原氏:僕は不破哲三にも、志位にも「名前を変えろ」って。でも、変えない。なんでかというと、名前を変えて成功した国はどこにもない。
橋下氏:志位さんたちもなんでそこにこだわるのか。彼らが言っていることは社会主義だと思うから、名前を変えたら立憲も結びついてくる。あと、共産党は志位さんが20年くらい委員長をやっているでしょう。独裁じゃないですか。
田原氏:それは後継者がいないんだよ。
橋下氏:共産党は彼らのやり方を民主的だと言うわけですよ。「民主集中制」っていう彼らの概念があるんですけど、それは中国と同じわけですから。もう選挙をやって代表を変えたらいいのに。
田原氏:志位って非常に柔軟性があるの。番組に呼びつけて徹底的にやればいい。
橋下氏:来てくれないですよ。志位さんは僕のこと大嫌いなので。
田原氏:言うよ。志位に「出ろ」って。
橋下氏:僕は共産党の人とは話したいですよ。田原さんも入って、共産党も来て、みんなで話しましょう。
田原氏:みんなというより、志位と橋下さんと僕と3人でやろう。
(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)