セックスレスの夫婦、夫・わかぴょんさん、妻・みかさんの実体験を元にしたエッセイ漫画『夫公認彼氏ができました セックスレスにとことん向き合った夫婦の13年レポ』(KADOKAWA、漫画:ハラユキ)が注目を集めている。
交際3カ月(当時、わかぴょんさん37歳、みかさん28歳)で結婚した2人は、結婚後1年で長女を出産。しかし、愛はあるものの、妻に性的興味を持てない夫と、肌と肌とのスキンシップに近い「慈しみの行事」としての性行為を求める妻との間には、徐々にギャップが生まれてしまう。
「自分が理想とする夫婦は、親友のように何でも話していける家族。ただ、いざ結婚してみると、性的な対象として思えなくなってしまった。『家族』という感じで(性行為が)できなくなっていった」(わかぴょんさん)
友人に諭されたのを機にカウンセリングに行ったり、同じ境遇の夫婦ミーティングを経た末に次女を授かったが、それが「セックスレスに拍車をかけた」(わかぴょんさん)という。みかさんもまた「根本から受け入れられない、全否定されているような感じだった」と振り返る。
今や4人に1人はセックスレスが離婚の原因となっており、特に日本は欧米に比べると極端に夫婦間の性行為が少ないというデータも。ともしびクリニック精神科の江越正敏医師は、「日本家族計画協会によると、セックスレスの夫婦の割合が、2015年は44.0%で、2020年は51.9%。年々増えている」と話す。
結婚5年目のある日、みかさんは「もし相手が見つかれば、自分の気持ちを優先させる」と宣言。「カウンセリングにも行く中で、『この人が変わるのを待っていたら一生かかるかも』と」(みかさん)。わかぴょんさんは、今後も性行為できないと告げつつ、もし相手が見つかっても受け入れて、それでも家族でいたいと、悩み苦しんだ末に返答した。
それから数カ月後、みかさんは職場の元同僚を「相手」として紹介した。3人で顔をあわせた場で、元同僚は「もし夫婦が別れるのであれば、この話を下りる」と話したことから、わかぴょんさんは「夫婦でいていいんだ」と思わず号泣。「避妊はしっかり」「デート代は出せない」の2点を条件に、夫と妻、そして「夫公認彼氏」の関係が始まった——。
最初はわかぴょんさんも「気持ちが離れてしまうだろう」と思っていたが、みかさんが隠し立てせずにオープンにしてくれる姿勢を見ているうちに、蚊帳の外にされてしまうのではとの不安は薄れたという。
結婚13年となった2022年、ふたりは婚姻関係を解消した。夫婦関係を続けるなかで、「形にとらわれなくても大丈夫」と、信頼関係に気付いたことが理由だという。現在みかさんは3人目のパートナーと暮らし、わかぴょんさんは近所で2人の子どもと住んでいる。
現在は「絶賛婚活中」だという、わかぴょんさん。今後のパートナーによっては「性に目覚めて、好きになるかもしれない」が、いまのところは性に対する価値観を探っている段階だ。前向きにとらえる元夫に、みかさんは「いい恋をして欲しい」とエールを送る。
わかぴょんさんは、セックスレスに悩む夫婦へのアドバイスとして、「人のせいにせず、自分がどうしたいのか、勇気を出して言うことが大切」と投げかけた。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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