地方行政にはびこる無駄や、“いつまでこんなことやってるの?”と思うこと。ABEMA『NewsBAR橋下SP 言いたい放題 新年会SP』に改革派市長たちが出演し、橋下徹氏らとともに「ここが変だな」をテーマにトークを繰り広げた。
【映像】橋下×古舘×改革・炎上市長「もう国に任せられない!」 日本改革の秘策を言いたい放題
高島宗一郎・福岡市長は、“ここが変だな”と思うことについて「“給付金”事務のムダ」をあげる。
「多くの国民が1人10万円とか、非課税世帯、子育て世帯が臨時給付金をもらったと思う。日本は戦後から、徴兵制につながるからといって国・政府が国民の情報を持たないということになっていて、これがものすごい無駄を生んでいる。福岡市の非課税世帯23万世帯に10万円を配ろうとしたら、住民基本台帳から1人ずつデータを印刷して、封筒に入れて、各世帯に送る。それを送り返してもらって、23万世帯分の銀行口座がアクティブかどうかを確認して、違ったら電話で確認して、出なかったら夕方に掛け直して……みたいなことをやって振り込みの手続きをやる。当然、自治体の職員だけで全世帯は無理だから委託するが、その費用は今回で5億円9000万円。さらに郵送費が別に3900万円くらいで、1回10万円を非課税世帯に配るのに6億円以上かかるわけだ。今はデータ、ICTの時代。国が決めて自分たちで振り込めば、全国1700の自治体が委託に出さなくて済む」
これを受けて、石丸伸二・安芸高田市長が「例えばコロナ交付金を使ってプレミアム商品券を配っている自治体は多いが、1億円配ったら10%(1000万円)くらい事務コストでかかる。税金の使い方としてはものすごくもったいないが、みんなもらえるのが嬉しいからあまりそっち(コスト)をツッコまない」と指摘すると、崎田恭平・前日南市長も「住民からの突き上げも大変。これを官僚も感じてほしい」と訴える。
橋下氏は「国会議員たちは給付金を決定して、子育て支援だとか経済的に困っている人を救済するとか言っているけど、彼らに一度給付事務をやらせたほうがいい」と賛同しつつ、「給付事務をストライキしたら?」と提案する。
「国が決めた大きな公共事業をやる時、地方は無条件でお金を出させられる。請求書に220億円と書いてあるだけで、何も内訳はない。それは違うだろということで、『地方は奴隷じゃないか』『ぼったくりバーだ』と(当時は)言った。地方は知事会や市町村会もあまり戦う姿勢を出していないが、僕らの時は、生活保護費の事務について、あんまりふざけたことばかり言うから『もう支給しない』『やらない』って、みんなでまとまってそういう動きになったら厚労省は折れたからね。給付事務を一斉にストライキしたらどうか」
高島市長が「したいけど、難しいのはコロナ中でみんな困っているということ。ちなみに、自治事務となっているので、自治体が『しない』と言ったらやらなくてもいい」と答えると、橋下氏は「全国でやらないとクレームくるから、約1700の市町村長が組んで一斉にストライキ。“現金は国会と厚労省に取りに行ってください”とやったら、(厚労省に)大クレームがいくだろう。僕はやるべきだと思う」と主張した。(ABEMA/『NewsBAR橋下SP 言いたい放題 新年会SP』より)