2022年12月、中国とロシアの軍艦・戦闘機が合同で軍事演習を行った。2023年1月には中国の偵察無人機が東シナ海と太平洋を往復。自衛隊は2日連続での飛行にスクランブル発進で対応した。
中国船は東シナ海のみならず、太平洋上にも進出。それが常態化していて、近年ますます活動が活発化している。
自衛隊は脅かされている日本の海上を守れるのか? テレビ朝日政治部の安西陽太記者は旧帝国海軍の特攻隊でも知られる鹿児島県鹿屋基地を密着取材。防衛の鍵を握るP1哨戒機の訓練を撮影した。
鹿屋基地は海洋進出を強める中国などを念頭に警戒監視部隊が配備されている国防の要所だ。
P1哨戒機は、海上自衛隊の最新鋭国産機で、主な任務は日本周辺の不審船や外国艦船、さらに海中の潜水艦を発見することである。
機内には11人が乗員。パイロット2人と機上整備員、戦術・捜索を指揮する戦術航空士と補佐、レーダー・センサー担当のミッションクルー4人、魚雷などの装備品やシステム管理をする隊員2人がその任についている。
海上における警戒監視訓練に続いて高まる緊張感のなか行われたのは潜水艦捜索訓練。この訓練にテレビカメラが入るのは前例がないという。
訓練では、海に潜った潜水艦をレーダーやセンサーを使って発見し位置を細かく特定。P1哨戒機に搭載された魚雷で潜水艦への攻撃も行う。
鹿屋基地P1哨戒機部隊の津田怜男2佐は中国などと日々対峙する国防の最前線での訓練について、「当然相手がミサイルを発射してくる可能性もありますので、緊張感があります。ミスが許されない」と語り、他の隊員も「任務をやっている中でも身に感じて海洋進出が多くなっているというのは日々感じ取っています」「テレビで見ていた尖閣諸島に近い基地ということで業務量は多いですが、日々やりがいを感じています」などと話した。
鹿屋基地P1哨戒部隊を指揮する岩政秀委1佐は緊張が高まる中国などの動向について、「脅威というのはいきなり起きるわけではありません。少しずつ何かしらの兆候が見えてきます。それは毎日の哨戒活動によって一つひとつ見ていかないと変化に気づけないと思います」と力強く語った。
(ABEMA NEWSより)