10年に一度とも言われている寒波が日本列島に襲来しているが、なぜこれほどまでに寒波が強くなっているのか。気象予報士の名倉直美氏に聞く。
「寒波が強い理由は2つ考えられます。1つ目は西に高気圧、東に低気圧、いわゆる西高東低の冬型の気圧配置が非常に強まってきており、大陸から北西の風が強く入りやすい状態であること。2つ目はJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)という活発な雪雲が列になって入ってくる現象のためです。今回のように強い寒気が北西から入ってくる際に朝鮮半島の北部の山の方で二手に分かれ、その後日本海で合流し風と風がぶつかり活発な雪雲が出来やすくなるのです」(以下、名倉氏)
1月初旬気温が例年より高かった日本だが、何が影響しているのか。
「今日本の上空は空気の流れが南北に波のように蛇行しているような状態です。1月中旬に春のような暖かさになりましたが、振り子のようなかたちで暖かい空気が入ったあと、現在はその反動で強い寒気に覆われているのです」
10年に一度とも表現される寒波だが、過去にも同レベルの寒波で事故やトラブルなども起きたのか。
「西日本だと2016年の1月24日から25日にかけて、関東だと2018年の1月25日に同じぐらい気温が下がった日がありました。この時は水道管が凍結したり、車のスリップ事故が起きたりと生活の支障も出ていました」
国民の生活への支障が懸念されるなか、いまから出来る寒波への備えを聞いた。
「西日本東日本問わず全国的に気温が非常に低いので、水道管の対策はしておいた方が良いでしょう。水道管にタオルを巻く、少量の水を流し続けることが有効です。もし凍ってしまった場合はタオルを巻いて、ぬるま湯をかけてください。熱湯は水道管が破裂する可能性もあるため厳禁です。また、25日は広い範囲で路面凍結の可能性があるので滑りやすい場所は十分ご注意ください。また、スマートフォンを充電する際、窓際だと気温が低すぎて結露する可能性があるのでこちらも注意が必要です」