“花様年華”−−それは人生の中で最も美しく輝く時を意味する言葉。そんなタイトルが冠された大人のラブストーリー『花様年華〜君といた季節〜』が、ABEMAで放送中だ。
物語は主人公のハン・ジェヒョンとユン・ジスの姿を、1993年の学生時代と、そこから26年後の現在を行き来しつつ描いていく。大学のピアノ科に通うジスは、ある日学生運動の混乱の最中で自分を助けてくれたジェヒョンに一目惚れ。猛アタックを経て交際が始まり、美しい時間を共に過ごすが、ある事件をきっかけに連絡が途絶えていた。
時は流れて数十年後、ジェヒョンは財閥一族の娘婿となり、ジスは一人息子を抱えたシングルマザーとなり貧しい生活を送っていた。全く異なる人生を歩んでいた2人は、お互いの息子の間で起こったいじめ問題をきっかけに再会を果たすことに。学生時代にはジスがジェヒョンのことを追いかけていたのが、数十年後の再会後は逆転したかのように、ジェヒョンがジスを何かと気にかける。時の流れから生まれる変化や現在と過去の対比に切なくも温かい気持ちを抱きつつ、繊細に紡がれていく大人のドラマから目が離せなくなっていく。
また本作では音楽も注目したいポイント。ドラマの冒頭もジスがピアノを奏でる場面から印象的に始まるが、劇中でも美しいピアノ楽曲がたびたび流れる。特にアンドレ・ギャニオンの「めぐり逢い」は、まるでジェヒョンとジスの恋を彩るテーマソングのようだ。さらに韓国で広く知られている歌謡曲であるユ・ジェハの「愛しているから」など、1990年代当時の時代背景とマッチした選曲にどこか懐かしい気持ちを抱く。
ジェヒョンを演じるのは、『スターの恋人』『ヒーラー〜最高の恋人〜』で知られる実力派俳優ユ・ジテ。若き頃とは打って変わって冷徹な実業家に扮する。
ジス役を務めるのは、『Mother』の韓国リメイク版『マザー~無償の愛~』で難役をこなし、『君の声が聞こえる』でも好演が光ったイ・ボヨン。たびたび困難な目に遭いながらも、強い意志を抱いたシングルマザーを凛とした表情で演じている。大人になってからのジェヒョンとジスの本心はどこにあるのか。ジテとボヨンの丁寧な表情の演技に、想像力を掻き立てられる。
また学生時代のジェヒョンはボーイズグループ・GOT7のジニョンが担当。甘いマスクもさることながら、劇中で披露される弾き語りの美しい歌声にも聴き惚れてしまう。そして若きジスを演じるのは『ボーイフレンド』のチョン・ソニ。ひたむきに恋する少女の姿をみずみずしく表現している。ミニスカートがかわいらしいファッションにも注目したい。徐々に近づいていく2人の距離に、胸がキュンとなることだろう。
『花様年華〜君といた季節〜』はABEMAにて全話配信中。なお1話から3話までは無料配信されている。
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