本命以外にも抱かれながら「好きって言って」自己肯定感低め女子の求める愛が切ない
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 人間の普遍的な悲しい性が描かれる。恋への葛藤や性に対するデリケートな悩みを抱えるヒロインたちの揺れる心情を描くオムニバスラブストーリー『今夜、わたしはカラダで恋をする。Season2』。その記念すべき第1話『セフレでもいいから。』のヒロインである自己肯定感低めな女子大生・青山葉月は、本命以外に抱かれながら「好きって言って」と愛を求める。その姿はあまりにも切ないが、思い当たる節のある人もいるのでは?果たして葉月が最後に辿り着く答えとは。

【動画】自己肯定感の低さから愛を求める…切ない女子大生のベッドシーン

 『今夜、わたしはカラダで恋をする。』は、ABCテレビで2022年3月にスペシャルドラマとして制作されたビターなラブストーリーの続編。今回はABEMAとABCテレビが連動して、全4話のオムニバスドラマとしてそれぞれのヒロインたちのストーリーを濃密に描く。

 葉月は、キラキラした都会に憧れて上京してきた女子大生。地元は田舎で何もないと毛嫌いし、おしゃれで充実した都会ライフとうっとりするような恋愛を求めていた。しかし現実はそう甘くはない。葉月はイケメンモデルのセフレに成り下がっていた。

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 モデルでセフレの稜と“普通のカップル”になりたいという願望を抱きながらも、葉月は自己肯定感の低さゆえに本音を伝えることができない。しかも稜はS気質で、葉月に見せつけるかのように別の女とイチャイチャ。自分に自信のない葉月はそれを止めることも注意することもできず、席を立つしかなかった。

 「好きって言ってほしい」ただそれだけなのに、稜は葉月の体だけを求めて優しいキスさえもしてくれない。幸せな時間であるはずのメイクラブも「お前喋りすぎなんだよ」と冷たい態度で押し切られてしまう。

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 稜が埋めてくれない虚しさと寂しさを、葉月は稜の仕事仲間である編集者の大沼で解消しようとする。葉月の本命はあくまでも稜。そんな気持ちとは裏腹に、葉月はほとんど面識もなく好きでもない大沼の誘いに乗って、体を許す。そして「葉月のこと好き?」と愛を求めるように確認するのだった。

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 物語後半で、自分のもとを去ろうとする稜に対して「セフレでもいい!」と自らを貶めるような禁句を口走ってしまう葉月があまりにも切ない。そう言ってまでも稜を繋ぎとめておきたいという思いの表れなのだが、当然の如く男はドン引きだ。稜からは「セフレでいいとか言う女、俺嫌いだから」という厳しい言葉を浴びせられてしまう。

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 愛の求め方があまりにも不器用な葉月は「何もない」のは自分だと気付く。しかしその辿り着いた答えから目をそらして愛を求めて陥る負のループ。自分にも東京にも確たるものがなく、漠然と生きる葉月に一番必要なのは、セックスや他者からの言葉ではない。足りないのは、自分で自分を慈しむ自己愛だけだ。

 ところが現代のSNSの海を泳いでみると、葉月のようにダメだと理解しつつも、不毛な愛を求めてしまう葉月予備軍は思いのほか多い。葉月の渇望は、ある意味で人間の普遍的な悲しい性なのかもしれない。果たして葉月はどのような決着をつけて、答えに辿り着くのだろうか。

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