東京都立大学の宮台真司教授が襲撃された事件で公開手配されていた人物とみられる男が死亡していたことがわかった。
警視庁によると、神奈川県相模原市に住む当時41歳の男が12月12日の公開手配の4日後に自宅近くの別宅で死んでいたことが判明した。
遺書は見つかっているが事件については書かれていなかった。
テレビ朝日社会部の山木翔遥記者と共に事件の経緯を振り返ろう。
昨年11月29日午後4時20分頃、東京都立大学教授の宮台教授はキャンパス内の歩道で男に刃物で頭や背中など10カ所以上を切りつけられ、全治約6週間の重傷を負った。
【宮台教授襲撃事件の経緯】
・11月29日 東京都立大キャンパスで切りつけ
・12月12日 警視庁が防犯カメラ映像を公開→公開捜査
・1月27日 新たな防犯カメラ映像公開
・2月1日 公開手配されていたとみられる男の死亡確認
――自殺した男はどのような人物だったのだろうか?
「男は両親と3人暮らしで自宅の他に別宅をもっていました。警視庁による両親の聞き取りでは、現在まで仕事をしておらず社会とのつながりはほとんどなかったようです」(以下、山木記者)
――どのような経緯で自殺が分かった?
「普段男は別宅で寝ており、午前中には自宅に向かいますが当日はなかなか来ませんでした。気になった母親が確認したところ亡くなっていたということです。自殺と見られています。死亡推定時刻から公開捜査の直後に亡くなっていたことになります。残された遺書には、家族や知り合いに迷惑をかけたという趣旨の内容が記されており、事件に関することや自殺の理由につながることは書かれていなかったそうです」
――「公開手配をされていた男」と見られているが、警視庁がそのように判断した理由は?
「3つあります。まずは事件に関連する2台の自転車です。1台は、事件の容疑者が犯行の1週間前に現場近くのコンビニを訪れたもの。もう1台は事件当日に犯人が乗っていた自転車です。男はこの2台を所持していました。2つ目は、逃走方向と男の居住地に矛盾がないこと。最後に、180〜190センチという容疑者の身長と合致したことです」
――死亡した男が公開手配された男と結びついたのはどのくらいの時期?
「自転車の購入者が判明し男が捜査線に浮上したのは1月30日です。おそらくその後に自宅の捜査をして『限りなく公開手配している男に近い』と分かってから男の自殺が発表されたものと思われます」
――凶器は見つかっている?
「現在のところ、凶器の特定はされていません。ただ、死亡しているのが見つかった別宅ではなく、家宅捜索をした自宅から30センチほどの斧が見つかっています。この斧には血痕が見つかっておらず、犯行に使われたかどうか分かっていませんが、両親が購入したものではないとされています。このことから、警視庁は男がこの斧を購入したとみています」
――現在、まだこの死亡した男が容疑者か確定していない。取り調べができない中、今後どのように捜査するか?
「現場近くに捨てられていたペットボトルなどから犯人のものとみられるDNA型が検出されています。そういった証拠との照合するのはもちろんですが、おそらく男の家から押収される携帯電話やパソコンの解析を進める中で事件との接点を探していくことになります」
――死亡していた人物が公開手配されていた男とみられているが、男と宮台教授との関係は?
「現在のところ、宮台教授の本や資料などは見つかっていません。今後、パソコンや携帯電話の使用履歴の解析から見えてくるものがあるかもしれません」
――公開捜査をしてから男の特定まで時間がかかったが、この間の捜査で有力な情報が寄せられたことはなかったか?
「300件以上の情報があったそうですが、死亡した男に関するものはありませんでした」
――動機の解析はどうなるのか?
「まだ容疑者かどうか分かっていませんが、男が死亡してしまった以上、残っているものから解析を進めていくしかありません」
(「ABEMA NEWS」より)