「岸田さんにできるかは疑問」「儲かっている大企業は取引先の価格上昇を認めるべき」 “賃上げ”に岸博幸氏&橋下徹氏
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 物価の高騰が続く中、岸田総理が新しい資本主義の最重要課題として強調する「賃上げ」。1月28日のABEMANewsBAR橋下』ではその実現性をめぐり、橋下徹氏と元経産官僚で慶應大学大学院の岸博幸教授が議論した。

【映像】橋下徹×岸博幸 コロナ5類は政治の都合ばかり!?︎/岸田政権の経済対策を斬る

 大手の民間企業では、すでにユニクロなどを運営するファーストリテイリンググループが国内従業員の給与を最大4割賃上げすると発表。一方で、民間調査では中小企業の約7割が「賃上げの予定なし」と回答している。

 岸氏は「岸田さんは施政方針演説ですごく立派なことを言っているが、本当にできるかはすごく疑問だ」との見方を示す。

 「基本的に春闘は組合と経営が交渉して決めるもの。政府は関与できないので、安倍政権の頃からやってきたのは経団連へのお願いだ。去年の賃上げ率は大企業で2%台前半だったが、今年は物価上昇率の4%以上になる可能性は低いと思う。これを参考に中小企業の正規社員や非正規社員の賃上げも決まるが、だいたい大企業より上昇率は低いので、当然物価の上昇に追いつかず生活が厳しくなる。その場合、政府にできるのは収入が低い人にお金を配ることだが、大事なのは雇用制度改革。同じ仕事をしていれば正規社員も非正規社員も同じ給料にする同一労働同一賃金を実現して、非正規の方にこそ職業訓練をしっかり徹底すべきだ」

 一方、橋下氏は「賃上げは何十年もできなかったが、物価が上がっていることもあり、“上げなければいけない”というムードにはなってきていると思う。安倍政権以降、賃金を上げたら税金を安くする賃上げ税制を続けてきたが、それに加えて、大企業を含めて円安で儲かっているところが取引先の価格上昇を認めて、中小企業の売上にも転嫁させる。それをやっている企業は減税する、というような方法を考えなければいけない」と指摘する。

 岸氏はその案に賛同した上で、「日本の景気が30年ずっと悪いのは、政策がダメだっただけでなく、大企業にも責任がある。リスクの大きい投資で大損をするよりも、ある程度リスクが低くてほどほどに儲かるほうが出世しやすい。そういう判断に慣れてしまった、サラリーマン人生の終着点として社長・経営者になった人が多いので、500兆円もの内部留保があるのに賃上げをしない。かつ非正規雇用を増やして、雇用のコストをなるべく減らしている。これを変えるには大規模な政策転換が必要だ。岸田政権が本当に景気回復をしたいのなら、『春闘で賃上げして』と言うだけでは限界だと思う」と述べた。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)

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