「麻酔が足りずに手術」「好きな人への告白は“革命の戦友として”」 脱北YouTuberが明かす北朝鮮の“普通の暮らし”
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 北朝鮮ではいま、農業がひっ迫して、飢餓による死者も出ているという。社会主義を掲げる国や地域は現在、北朝鮮、中国、ラオス、ベトナム、キューバの5つだが、そのなかでも北朝鮮は、一族の長い独裁体制により内部情報もベールに包まれている。

【映像】脱北YouTuberが明かす北朝鮮“普通の暮らし”

 北朝鮮で暮らす人々の「日常」はどうなっているのか。北朝鮮に生まれ、23歳で脱北した「脱北YouTuber」のキム・ヨセフさん(37)に「普通の暮らし」の実情を聞いた。

 北朝鮮の病院では、薬が出ず、手術も麻酔なし、もしくはあっても少なめで行うという。医療費は無料だが、適切な治療を受けられないため、キムさんは「有料でも日本の方がいい」と語る。町ごとに医療機関はあるが、入院時には布団も含めて、必要なものを持参する必要も。諸外国から医薬品の支援があるが、収入のない医師が裏で転売してしまい、必要な時に使えないケースもあるそうだ。

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 「農民」と「労働者」といった階級制度の中で、職業選択の自由はない。そのなかで憧れの職業とされるのが、いわゆる「喜び組」などが属する朝鮮労働党の「五課」と、金一族のボディーガード。選ばれただけで光栄とされ、誇りに思う人は多いという。

 配給制度がなくなった現在では、買物は「チャンマダン」と呼ばれる市場で行われる。スーパーマーケットやコンビニエンスストアは存在しない。主食はトウモロコシで、余裕があれば白米など、ご飯の色によって生活水準がわかるという。

 キムさんが聞いた話では、スマートフォンを2割近くが使っているそうだが、インターネットが使えないため、通話程度しかできない。「我が国にもある」と、海外メディアなどへのアピールに用いられると分析する。

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 ハリウッドや韓国などの海外映画も視聴できるが、その映画が流行っているなどの報告を金正恩総書記が受け、怒ったりすると見せしめで死刑になる場合があるそうだ。そんななかでも、数少ないぜいたくが「お酒を飲んで外国映画を見る」。トウモロコシやドングリで焼酎を造っている家庭から購入すると語る。

 恋愛は自由だが、キムさんによると「日本で想像するようなロマンティックな告白じゃない」という。

「北朝鮮では、なんでも『革命』が使われるため、好きな女性の前で『革命の戦友として受け入れてください』とか。日本のようなスイートな言葉ではない。そもそも『愛しています』も普段使わない。『愛』といえば、将軍様が人民に対する『愛』しかない。脱北して、映画などで『そんな言葉を使うのか』と思っていたら、実際に使っていてショックだった」(キムさん)

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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