自民党元幹事長の石破茂氏が2月25日のABEMA『NewsBAR橋下』にゲスト出演し、ウクライナ情勢について橋下徹氏と議論を交わした。
ロシアが侵攻を開始してから2月24日で1年。終わりが見えない中、石破氏はさらなる長期化への懸念を示す。
「NATOは、自分たちは戦わずにウクライナに情報と武器をどんどん渡すが、モスクワまで届くような武器は絶対に与えない。ロシアも不幸に耐える力が強く、“ツァーリ(皇帝)と農奴”みたいな考えが変わらないとなると、侵攻を続けるだろう。だから終わらない。日本は安全保障理事会の議長国としてサミットをやるわけだが、『どうすれば終わらせられるか議論しよう』『日本はこう考えている』と言わなければいけない時期だと思う」
一方、橋下氏は「西側諸国、日本もそうだが、国家の指導者層が一斉に『ウクライナに寄り添う』『ウクライナと共にある』という言葉を発しているのに騙されてはいけない」との考えを述べる。
「そう言うのなら、ウクライナの一般市民の犠牲を可能な限り少なくしないといけない。ただ、ロシアを打ち負かそうとしたら世界大戦になるわけで、今やっているのは、時間をかけてロシアを衰退させていくこと。つまり『ウクライナの犠牲の下にロシアを衰退させている』と、はっきり言うべきだ。それを政治家がうまいこと言えないものだから、『連帯』『共にある』になる」
石破氏は「集団的自衛権、つまり自分の国と関係の深い国がやられたら“自国がやられた”とみなして反撃するのは、何も同盟の存在が前提ではない。ウクライナはNATOに入っていないから応援しない、というのは理屈が通らない」と指摘。
さらに、「どっちもどっちなんて言うつもりはなくて、ロシアが悪いに決まっている。太平洋戦争の時も、昭和天皇がポツダム宣言を受け入れると言って戦闘は停止しているのにソ連は攻め込んできて、北方領土を不法占拠した。今回も同じことをやっていて、その中でウクライナの人たちや、何も知らないロシア兵たちがどんどん死んでいく。終戦はそんなに簡単ではないので、『とにかく止めよう』『終戦ではなくて停戦しよう』ということを言わなければいけない」と訴える。
橋下氏は「NATOに入っているバルト3国がロシアから攻められないように、ロシアにとって“怖くてそこには行けない”というような、西側諸国がウクライナの安全を保障する枠組みを作ること。何が一番なのかと言えば、ウクライナの将来にわたる安全保障だろうと僕は思う」とした。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)