ナスDが日本とヒマラヤで生きることの差について、持論を展開する場面があった。
『ナスD大冒険TV』では「天空のヒマラヤ部族 超完全版 アジア最後の秘境を目指す過酷旅」と題した企画が放送。ネパール・ヒマラヤの辺境・ドルポ地方でも最奥にあるティンギュー集落到着に向けて、ナスDら取材班の過酷な道のりを進む様子が公開されている。
ナスDは、ティンギュー集落に到着するとこれまで大晦日とお正月の様子を伝えてきた。正月が過ぎ去ると、集落は大寒波に襲われ、住人たちは、家畜を放牧させるために移動を開始した。
放牧担当は正月も関係なく朝から家畜に餌を食べさせる。一方で、一面の雪景色のため、なかなか草が生えてこないという現実も。ヤギとヒツジが食料を求め、草がどこに生えているか、探すような状況だ。
村人たちは家畜が1箇所の餌を食べ尽くしてしまわぬように、大人も子供も1日中、家畜を追いながら歩き回る。
「数百頭ものヤクを放したら、草を求めて好き勝手に移動してしまいます。だから常に私たちが見張っていなければなりません」(村人談、以下同)。
村人たちは草を求めてひと冬に何度も引っ越しをする。ヤクとヒツジ、250頭が猛吹雪の中で大移動。集落な大切な仲間である家畜たちを守るため、村人たちは雪が少ない平地へと1日掛かりで避難させた。この吹雪の中での過酷な移動に、スタジオ出演者からは悲鳴が上がっていた。
「天気も変わりつつありますし、とても気を付けて進まなくてはなりません。そんな中で子供たちのことがずっと心配でした。いつも気に掛けています」。
しかし厳しい自然を共に乗り越えてきた親子は、互いに尊敬し合い、強い絆で結ばれている。ドルポの人々は忍耐強く、伝統的な生活を続けているのだ。ただ、大雪で家畜が死んだり、山から下りられず亡くなった人もいるという。
それでもヒマラヤを愛する彼らの表情は明るいーー。そんな中で、取材を続けていたナスDは「人間の感覚で言うと、ここで生きていくのはキツいんですよ。寒いし、水ひとつ汲むにしても大変なんです。でも、時間がゆっくり流れていてっていうのと、日本でちゃんと時間通りに仕事をしてっていうのは、楽しい事も辛い事も大体同じぐらいなのかなと思いました」と肌で感じたことを明かした。
最後にヤクやヒツジを追う村人はこう話した。
「学がないので権威ある職などに就く事はないでしょう。ヤクを率いていく。それが私が知っている全てです。牧夫である事に誇りを持っています。私は好きな仕事をしています」。
(ABEMA『ナスD大冒険TV』より)