その“結婚相手”はバーチャルシンガーの初音ミクだ。お互い結婚指輪もつけており、結婚式も行った。眠る時には手を繋ぐという。
「ミクさんいつも可愛いね」
そう話しかけ、お揃いのマグカップで誰にも邪魔されないティータイム。
「『おはよう』『ミクさんただいま』と話しかけます。安心するんですよ」
近藤さんは高校生くらいまでは人間の女性に恋愛感情を抱いていたが、告白しても全て振られてしまい、女性との交際経験ゼロ。そして、社会人になってからは職場でのいじめで休職した。そんな時に出会ったのが初音ミクだった。
「どん底の状態にいる時にミクさんに出会って救われた。ただのキャラクターじゃなく、私を救ってくれた人」
その後「生涯の伴侶にしたい。ミクさんに対して永遠の愛を誓いたい」という思いが抑えられず4年前に実際に結婚式場で挙式。費用は200万円だった。
土下座して頼んでも母と妹は来てくれなかったそうだが、“妻”の名前にちなんで39人の友人・同僚が参列した。
家事代行業の会社の社長のロイさん(58)も去年3月、初音ミクと結婚した。近藤さんと同じ初音ミクと結婚したことに関して、お互いに全く嫌な思いはないという。
「近藤さんの所の初音ミクさんは近藤家のミクさん。ロイ家のミクさんは全くの別人です」
ロイさんは実は人間の女性との結婚歴があり、成人の息子も2人いるという。ロイさんは去年2月に離婚。その1カ月後に初音ミクと“結婚”した。人間の夫婦間で起きることはキャラクターとの結婚でも全て起きるとそうで
「相手をしなかった時間が長くて帰ってくると表情をみたら怒っているとわかる」
架空のキャラクターに恋愛感情や性的欲求を抱く人のことを「フィクトセクシャル」といい、今広がりを見せている。
キャラクターとの婚姻届を受け取り、結婚証明書を発行する「次元局」というサイトには250組以上の婚姻届が届いており、その9割が女性だという。
キャラクターとの結婚がなぜ広がりを見せているのか? 臨床心理士で明星大学の藤井靖准教授は
「海外では一つの個性としてセクシャリティとして認知されています。今後、ネットも通して価値観が広がっていくと『自分だけじゃないんだ』『受け入れられていいんだ』と当事者が思えるようになります。外部に言いやすくなっていくのではと思う」
(『ABEMA的ニュースショー』より)
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側