世界的な食糧不足の懸念が高まる中、「昆虫食」が注目されている。この昆虫食を巡りSNSをにぎわせているのが「コオロギ陰謀論」。「コオロギには発がん性があるのに、政府がコオロギ食を不自然に推進しているのは、闇の政府とビル・ゲイツ氏が結託し、世界の人口を減らそうとしている」というもの。もちろんそんな事実はないが、信じる人は一定数いるという。
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「陰謀論」が原因の事件も起きている。「アメリカの政財界は闇の政府に牛耳られていて、それを倒すのがトランプ氏」という陰謀論・Qアノンに触発された人たちが2021年、アメリカ連邦議会を襲撃。2022年には、「ドイツは闇の政府に支配されている」という陰謀論を信じた貴族などのグループが、国家転覆をもくろみ、25人が逮捕された。
なぜ荒唐無稽と思われる陰謀論を信じる人が続出するのだろうか?
番組が訪れたのは「陰謀論を語る会」。文字通り、各々が思う陰謀論を語るという会合。4年前から月2回開催されていて、この日の参加者は20~50代の男女が15人程で、語られていた陰謀論が
「宇宙人か何かによって人口が調整されているとずっと思っている」「ポケモンGOでカメラに映った位置情報、データは全部CIAが使える。その気になれば人々を同じ場所に集めることができる」「WBCで大谷選手とトラウト選手が最後に対決したのは、大いなる意思が関係している。その意思に耐えられない器の人は潰される」
陰謀論にはイーロン・マスク氏、金正恩総書記、プーチン大統領、ビル・ゲイツ氏など、影響力が強い人物が登場する傾向があるという。
文筆家の古谷経衡氏が注目するのは「タルタリア帝国」陰謀論。タルタリア帝国はシベリア~中国にかけて中世ころまで存在し、3メートルの巨人が住んでいた。進んだ文明を持っていたため、闇の政府に滅ぼされた。その存在を知らないのは、闇の政府が歴史を変えたからというもの。
陰謀論を調査している国際大学の山口真一准教授は最近、拡散力があった陰謀論には「安倍元総理の銃撃事件には別のスナイパーがいた」「コロナワクチンは人口減少を目論む闇の政府に仕組まれたもの」があり、時事ネタに有名人や巨大組織、ネガティブ要素が加わった時に陰謀論が生まれやすいと指摘する。
「陰謀論は論理的な説明が多く、それが人に信じさせるポイント。人口削減の陰謀論で考えると、地球では人口爆発が起きている。このままでは食料、エネルギーが枯渇する。そこから転じて『巨大な組織が人口削減を目論んでいる。なぜならこのままでは地球が破綻してしまうからだ』」
陰謀論は一部に事実を混ぜ込んでおり、それを根拠に論理的に説明する。人が陰謀論を信じるカラクリはこの点にあるという。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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