「良いところが見つからない」崖っぷちの中国経済 光明はロシアとの“おいしい関係”?
【映像】消費、雇用、先端技術までジリ貧…日本への影響は?
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 昨年末にゼロコロナ政策を終了させた中国。その後、経済は回復に向かっているのか?

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 そして、景気回復のカギを握る新首相の李強氏とはどのような人物なのか? ANN中国総局 李 志善記者に話を聞いた。

「李強氏の出身地は中国で一番有名な商人の街、浙江省の温州というところです。習近平氏が浙江省のトップを務めた際に秘書長として仕え、自身も江蘇省や上海市などの経済の中心地でトップを務めるなど出世をしてきた人物です。テスラのイーロン・マスクやアップルのティム・クックといった起業家たちとの交流もあり、日本を含む海外の企業関係者も『経済に明るい』と評価をする方が多いです」

 現在の中国経済はどのような状況なのか。

「輸出入は数カ月連続で減少しており厳しい局面を迎えています。貿易港では空のコンテナが目立っていますが、税関当局は『コロナ禍における海外からの需要の増加で大量の新規コンテナが作られ投入されたこと、国内の保管コストが低いこと、海外のコロナが緩和して短期間で大量の空コンテナが返還されたことが原因だ。むしろ国際市場が中国の輸出能力を信頼していることを示した』と発言しましたが、ネット上では『空コンテナがあるのは欧米の景気減速で需要が抑制されているからではないか』、つまり本当に大丈夫なのか、と反発が起こっています」

 景気の低迷で市民の雇用にも影響が出ているか。

「東洋のシリコンバレーとも呼ばれている若者たちが夢を求めて訪れる深センという町では、若者の抗議活動なども起きました。徐々に生活は戻っているものの稼げない、財布にお金がなく消費ができないという嘆きの声もあがっています。ただその一方で深センでは“トランク屋台”が流行っています。トランク屋台では自家用車に自分の商品を詰めて、簡易テーブルを使って販売を行っています。日中働きながら副業で収入を得ているたくましい若者の現実も垣間見えました」

「良いところが見つからない」崖っぷちの中国経済 光明はロシアとの“おいしい関係”?
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 中国政府は成長率GDP5%を目標としているが、目標達成のためにどのような政策を考えているのか。

「既に中国では消費を刺激するために、日本でも見た消費券などを使った経済対策を打ち出していますが、あまりうまくいっていません。コロナ禍になってから国民は収入に対して消費する割合が大きく減り、そこから現在まであまり変わっておりません。また先行き不安から貯蓄をする割合が増えていたり、投資にまわすお金の割合が減少していたり、国民が保守的な考え方が強くなっているのが見受けられます。頼みの先端技術もアメリカからの半導体の規制強化があったり、さらに悪いことに金融不安も起きており、いい所が見つからない状況です」

 今月21日に中ロ首脳会談が行われたが、中国経済にどのような影響があるのか。

ウクライナ侵攻で欧米とロシアとの関係性が変わるなか、中国からロシアへの輸出が伸びていたり、中国は競争相手がいなくなったことでロシアのエネルギーを安く仕入れることができたりと“おいしいとこ取り”をしています。今回中ロ首脳会談の共同声明では、貿易・投資・通貨決済・エネルギーなど経済協力を拡大するという内容が盛り込まれていました」

 日本は中国と経済面で密接な関係にある。今後日本はどのように中国と向き合っていくのか。

「今中国が直面している低成長と少子高齢化。これらは日本が既に経験をしており、ここに対して先進技術を組み合わせた取り組みというのが日中間で進んでいます。具体的には中国の江蘇省の広大な敷地にパナソニックと現地企業が共同で高齢者のためのスマートシティを作りました。町の名前には中国の高齢者は当時の工業化を支えたことから『松下』という名前が付けられています。一戸あたりの価格は日本円で最低6000万円とけっして安くない価格ですが、全1170戸のうちすでに300戸以上が売れています」


(『ABEMA倍速ニュース』より)

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