将棋で追い詰められるより、よほどこちらの方が脂汗をかきそうだ。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」の出場権を争うエントリートーナメントの模様が4月8日に放送された。各ブロック40人の計120人が参加して行われたトーナメントで、関西ブロックは古賀悠聖五段(22)、関東Aブロックは郷田真隆九段(52)、関東Bブロックは行方尚史九段(49)が勝ち上がり、エントリーチーム入りを決めた。試合後、3人はリーダーを決めることになったが、ここで郷田九段・行方九段のアラフィフ2人が、30歳近く若い後輩にリーダーを打診。これに古賀五段が「いや、いや、いや!ちょっと!」と、大慌てすることとなった。
激戦のトーナメントを勝ち抜き、喜びの本大会出場だったところが、思わぬところで汗をかいた。対局後、郷田九段、行方九段、古賀五段と年齢順に並び、それぞれが本大会出場を決めた感想を述べていった。一通り話し終えたところで、毎回トーナメント終了後には3人でリーダーを決めることになっている。年齢、実績からして当然郷田九段が務めるものと思っていたが、ここでまさかの展開が待っていた。
郷田九段 (リーダーは)ノープランです(笑)。
行方九段 ここはねー。相談するまでもないかなと。古賀くんで。
すんなり終わるはずが、自分の名前が出たことでびっくりするのもしかたない。早指しレベルの反応速度で、すぐに流れを食い止めにかかった。
古賀五段 いや、いや、いや!さすがにちょっと!
郷田九段 古賀くんが立候補すれば…。
古賀五段 大先輩なんで、僕がリーダーは考えられないです(苦笑)。
先輩2人からの奇襲に肝を冷やした古賀五段だったが、最後は郷田九段が「荷が重いですが、年上ということで」とリーダーに決定した。3人揃って、どんなチームになるかわからないといった表情でもあったが、ファンからはリーダー決めのやり取りを見て「なにこれ」「めっちゃ恐縮してる」「古賀くんさっそく洗礼をw」と、好反応が生まれていた。
◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)