韓国を代表する演技派俳優のシン・ハギュンとヨ・ジングが競演するドラマ「怪物」が、ABEMAで放送されている。
2021年に韓国で放送されると大きな話題を呼び、韓国のゴールデングローブ賞と言われる「第57回百想芸術大賞」で作品賞、脚本賞、男性最優秀演技賞の3冠を獲得した「怪物」。片田舎のムンジュ市マニャンを舞台に、派出所の巡査部長イ・ドンシクとエリート刑事ハン・ジュウォンが、連続猟奇殺人事件の真相を追う心理サスペンスだ。
20年前、ドンシクの双子の妹が失踪し、自宅の庭に彼女の指の第一関節のみが10本残されているという事件が発生。ドンシクはその事件の容疑者とされた過去を持ちながら、警官となっていた。彼が勤務する派出所へ異動してきたエリート警部補ハン・ジュウォンは、ドンシクとパートナーになる。そんな中で20年前とよく似た事件が発生。2人は衝突しながらも、それぞれの理由を抱えて犯人を追っていく。
ドンシク役を務めるのは、実力派俳優として知られるシン・ハギュン。このドラマを視聴し始めた人は誰しも、彼の巧みな演技に見入ってしまうことだろう。「ドンシクが殺したのか?」という疑いをかけられるも、本心が読めない不気味さをどこか漂わせているドンシク。彼の不敵な笑みは脳裏に強く刻まれ、思わず背筋が凍りそうになる。
子役から長きにわたり活躍し、「王になった男」「絶対彼氏」「ホテルデルーナ~月明かりの恋人」などで注目を浴びたヨ・ジングは、今作が大きなターニングポイントになったと語っている。冷静沈着なエリートのジュウォンが、事件の謎に迫っていくにつれて翻弄され、揺らぎ、そして変化を見せていく様に注目したい。
舞台が閉鎖的な片田舎の村であることも重要なファクター。劇中では住人たちがお互いを庇いあっているかのような場面がいくつも登場し、「これがマニャンのやり方だ」とドンシクに言われたジュウォンは信じられないという思いを抱く。また、作品タイトルの「怪物」は、人間という最も恐ろしい“怪物”を指し、その心理が繊細に濃密に描かれている。ある登場人物が、自分の抱いた感情が道理に反していることを自覚して劇中でこぼす「私、怪物みたいでしょ」という言葉も象徴的だ。
チェ・デフン、チェ・ソンウン、キム・シンロク、チョン・ホジン、ナム・ユンス、ホ・ソンテ、イ・ギュフェら脇を固めるキャスト陣も、誰もが怪しく思わえてくる名演を見せ、物語の不気味なムードを存分に引き立てている。事件の真相はどこにあるのか、視聴者もハラハラしながら先が読めない物語を追っていくうちに、第6話では急展開が。さらにその後も次々に新たな真相が明らかになっていく。一度視聴を始めたら再生する手が止まらず、寝不足になってしまうことを覚悟で臨んでほしい。
「怪物」はABEMAにて全話配信中。なお1話から3話までは無料配信されている。
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