旧統一教会の元2世信者で、宗教2世の窮状などを訴えている小川さゆりさん(仮名)が、1日のABEMA『NewsBAR橋下』に出演。宗教と教育をめぐる考え方について、橋下徹氏と弁護士の菅野志桜里氏とともに議論した。
【映像】小川さゆりさん(仮名)が顔出しで訴えることを決めた理由
信教の自由がある中で、宗教被害により苦しんでいる2世の人をどう救うことができるのか。こうしたテーマについて議論する中、橋下氏は「子どもに教育を押し付けるのもマインドコントロールになってしまわないか?」と投げかける。
「旧統一教会の問題だけでマインドコントロールと言うが、各家庭にもあるのではないか。受験で『勉強しろ、勉強しろ』と全部規制して、小学校の時から子どもらしい生活をさせない。『大学行かないとこうなるぞ、将来こうなるぞ』とガンガン言う家庭もある。それがハレーションを起こして事件になってしまうのと類似している部分があると思う」
これに菅野氏は、「小川さんがご自身の家族のことを万感の思いを込めて伝えたことが、“これは宗教であれ虐待だ”という厚生労働省のリストにかなり具体的に載った。友達を『サタン』と呼んで交友関係を引き裂くのもダメだし、バイト代を教育と全然違うところに流用していくのもダメ。旧統一教会に限らず、そのリストに沿っていろいろな行為を救済していく、運用を見ていくことは大事だと思う。受験勉強で“東大に入らなかったら地獄に落ちる”という例があって、これがリストに沿って虐待に認定されるかというとされないと思う。やはり背景にある、組織や団体が違法性を持っているかというのも考慮する必要がある」との見方を示す。
小川さんはどのような経緯で脱会を決意したのか。「高校生の頃に家族の中で1人介護が必要になったのだが、その家族に対するみんなの当たりがキツくなった。私の父親は元教会長だし、母親はすごく熱心な信者。どちらも“家族の愛”を毎日謳っているのに、“言っていることとやっていることが違う”と矛盾を感じたのがきっかけ。本当にダメだと思ったのは、教義の矛盾や親への葛藤などから精神を壊して、入院したりパニック障害やうつの症状が出て家で動けなくなった時。母親が『あの子いつまで家で寝てるの?』『お金も家に入れてくれない』と言っていたことを知って、“娘1人救えなくて何が愛とか平和とか言ってるんだ”と限界を感じた」と明かす。
去年、出産をしている小川さん。自身の子どもへの教育については、「やはり親として最低限果たすべき経済的な部分、子どもに知るべきことを制限しないということは必要だと思う。私は“神の子だから”という条件が付いた愛情を受けてきてしまったから、そうじゃなくなった時にものすごく不安になって、実際に症状も出た。神の子じゃなくても、天才じゃなくても、そのままでいい。そういう無条件の愛情を子どもに与えられたらいいなと思う」と語った。(ABEMA『NewsBAR橋下』より)