元衆議院議員で弁護士の菅野志桜里氏が、1日のABEMA『NewsBAR橋下』に出演。政治家を辞めた経緯と今の野党へ望むことについて語るとともに、橋下徹氏と議論を交わした。
菅野氏は東京大学法学部を卒業後、司法試験に合格して検察官として活躍。2009年に衆議院議員総選挙で初当選し、民進党時代には政調会長、国民民主党時代には憲法調査会長を務めた。2021年に政治家を引退し、現在は弁護士として活動するかたわら、今年の春からに慶應義塾大学の大学院に進学。国際刑事法を専攻し、戦争犯罪などをテーマに論文を書く予定だという。
そんな菅野氏に対し、橋下氏は「政治家の終盤のほうは、立憲民主党の考え方とちょっと違うのかな?というような雰囲気もあった。民主党、立憲民主党は自分に合っていた?」と質問。
菅野氏は「政権交代が必要だ、自民党に対するもうひとつ強い塊を作らないといけない、という思いがあった。最初の5年間は優等生だったが、後半は不良少女になり『立憲民主党は立憲的ではない』と、中でも外でも『憲法の議論をやらないとおかしいじゃないか』と言うようになってしまった(笑)」と語る。
党内は菅野氏のような考え方のほうが大勢だったのではないか。その問いには、「それこそ枝野さんも憲法改正案を出していたように、少し前の野党・民主党はそっちだったと思う。中道をベースに、両端に右も左もいるところから、中心部がだんだん左に寄っていった。思考が左に寄ったというよりは、選挙で勝つため。“どっちの方が戦いやすいか”“どっちに行ったら野党を一本化できるか”と偏っていく姿を見て残念だなと思った」と明かした。
一方で、政治家を辞めたのは「自身の力量」によるものだそうだ。「10年野党にいてもできる政策があることを経験させてもらって、“あと10年やっても同じことしかできないな”と。もう10年やるなら政権交代のチャンスを作り出さなければいけないと思った時、自分はそのタイプではないと思った」。
そうした考えに橋下氏は「勝手な推測だが、なんとなく僕と同じ雰囲気。仲間集めをあまりやらずに、政策や自分の思いを政権にぶつけていく」とした上で、「それなら首長のほうに出てほしかった。女性の政治家が増えていくことは重要だと思っているし、政権交代をするため、野党の国会議員を増やすためには、首長が地元で政策をちゃんと実行して広げていくことが必要。もったいないと思う」と投げかけた。
今の野党に何を思うのか。菅野氏は「“骨を埋める”、これに縛られすぎている。辞める前提で政治家をやると、その期間を全うできるし、次が出てくるので回っていく。つまり任期制限、それがダメなら予備選だ。現職も絶対に出なければいけない。党内にいる時に、『野党を一本化して政権交代するのはいいけど、薄い政策でまとまっていくのはやめましょうよ』と。ちゃんと濃い政策で、野党内で予備選挙をやる。“桜前線北上”ではないが、“野党一本化の予備選が九州から始まりました”みたいになれば、その期間だけでも世間の関心が集まるのではないか」と提案する。
かねてから予備選の必要性を訴えている橋下氏は「地域ごとに、維新が勝つ所もあれば立憲が勝つ所、いろいろあって最後またもう一度代表選挙をやる。濃いかたちでやらなければいけないと思う」と述べた。(ABEMA『NewsBAR橋下』より)