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 中原アヤの同名マンガを『胸が鳴るのは君のせい』の髙橋洋人が実写化した『おとななじみ』が、5月12日より全国公開。久間田琳加は、井上瑞稀(HiHi Jets / ジャニーズJr.)と共にW主演を務める。

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 本作では久間田演じるオカン系女子・加賀屋と井上扮する超残念男子・青山春(ハル)の恋模様が描かれる。脇を固めるのは萩原利久(蓮見伊織役)、浅川梨奈(小戸森美桜役)といった注目の若手俳優だ。

 久間田は普段の自分とは異なるキャラクターの楓役を演じるにあたり、撮影前は不安に襲われていたそうだが、髙橋監督からもらった"ある言葉”で、心に火がついたという。果たして、2人の間でどんなやり取りが繰り広げられたのだろうか。

楓の髪の毛がハルに絡まってしまうシーンはキュンとしました

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――久間田さんといえば、少女漫画好きで有名ですが、中原アヤさんの原作はオファーをもらう前に読んでましたか?

お話をいただいてから読みました。少女漫画は好きなんですけど、キュンキュンだけが詰まっている作品ばかりを読んでいたんです(笑)。そんな中で、原作を読んでみて“ラブストーリーなのにこんなコメディ要素が詰まった作品があるんだ”と新感覚を味わいました。

――そんなコメディ要素もたっぷり詰まった映画作品のオファーをもらった時はどんな気持ちでしたか?

すごくうれしかったのと同時に不安もありました。楓は一つ一つの動きも大きいし、表情も豊かで、自分とちょっと離れているキャラクターだと感じていたんです。楓というキャラクターを客観視し過ぎてしまっていたんですけど、これを演じ切ることができたら、私のまた新しい一面を見てもらえると思って、ワクワクもしていました。

――幼なじみ役の井上さんとは今回が初共演ですが、息の合った掛け合いが作品のテンポ感を形成していましたね。どんな風に“幼なじみ感”を作りあげていったのでしょう?

撮影に入る前に監督含めてリハーサルする時間もありましたし、そんな中で井上さんとはお話するタイミングもあったりしたので、そこで徐々に仲を深めていきました。スタッフさん交えてゲームもして、そういう時間がすごく大きかったです。同世代なので、過去に流行ったものも共通していたので、そんな細かな会話が、幼なじみ感を出すことに繋がったんじゃないかなって。

――少女漫画好きとして、劇中で「キュンとしたシーン」はありましたか?

楓の髪の毛がハルに絡まってしまって急接近するシーンはキュンとしました。今まで、ハルはキュンとしそうなシーンでも変なことを言って、それが楓の怒りに変わっていたんですけど(笑)、このシーンは良い感じにお互いが戸惑ったまま終わるので、少女漫画好きとして刺さりました。

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――個性的なキャラクターが多数登場しますが、久間田さんに刺さったキャラクターは?

アン ミカさんが個人的に大好きで、今回、お会いできてすごくうれしかったんです。現場では誰よりも緊張してしまいました(笑)。作品の中に素敵なエッセンスを加えていましたし、私の中でアン ミカさん演じたキャラクターはお気に入りです。

――「楓のキャラクターに少しでも近づきたいと9年ぐらい伸ばしていた髪をカットして撮影に臨みました」というコメントを拝見しましたが、そのほか役に寄せた部分ってありますか?

劇中では楓がハルに「ゴリラかよ」って言われるシーンが結構あるんですけど、ゴリラに見えるように鏡の前で変顔を練習しました(笑)。カメラを置きつつ変顔をして、“みんなにはどう見えているのか”を研究して。絶対に世に出ることはないですけど(笑)。

――門外不出の映像を撮影していたんですね(笑)。

「もう見たくない!」と思って速攻消しました(笑)。

監督の言葉を受け…「全力で変顔します!」って思えました(笑)

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――今回演じた楓は「自分とは遠い」と仰いましたが、久間田さんから見て「どういう子」と感じましたか?

天真爛漫という言葉がぴったりと感じました。20年間、片思いし続ける一途さ・ピュアさがすごいですよね。撮影していた当時、私は21歳だったので、ほぼ生まれた時から同じ人を好きなのかとびっくりしたし、本当に真っ直ぐなんだなって。ハルの世話を焼いてしまうところも一生懸命だし、応援したくなる子でした。

――どこが久間田さんと遠いのでしょう?

好きな人だとしても、こんなに面倒見ることなんて私にできるのかなって(笑)。どちらかと言うと、ハルの方が自分の性格に近いかもと感じたんです。でもその感覚は撮影中に初めて気づいたことだし、一方でつい面倒を見てしてしまうハルの魅力も理解しました。実際に演じてみて気づけたことはかなりあって、そういう意味でも貴重な期間でした。

――そんな中、楓に共感できた部分はありましたか?

共感できる部分はありました。楓はすごく真っ直ぐな性格で、一つのことに集中してしまうがあまり、恋に仕事につまずいてしまう…何事も器用にこなせるわけではないところは、私も覚えがあるというか。それこそ、仕事のことで悩んでしまうこともよくあるんですけど、そんなところが人間らしくて、親近感を抱きました。

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――演じる上で1番難しかったシーンは?

冒頭なんですけど、朝、楓がハルを起こすシーンはリハーサルでも1番回数を重ねましたし、“難しかった”と記憶しています。髙橋監督の中では「あのワンシーンでハルと楓の関係性を見てる人に理解してもらいたい」という思いがあったみたいで、時系列的にも1番最初に撮影したシーンでしたし、苦労しました。

――それを撮り終えた後はスムーズでしたか?

割と悩みながらでした。撮影の合間には「大丈夫ですかね?」と井上さんに結構確認していましたし。

――そんな不安な気持ちを払拭できたシーンは?

萩原さん、浅川さん含めた4人での撮影って多いようで実はあまりなかったんですけど、撮影中盤にホテルのシーンで合流した時に払拭できた感じがありました。私たちが不安がっていたら、浅川さんが引っ張ってくれて、空気を変えてくださったんです。

――そんな同世代の役者陣との共演はいかがでしたか?

浅川さんは「美桜は自分の性格そのまま」と仰ってたんですけど「当て書きなのかな?」と思うくらい本当にそのままでした。あの姉御感というかしっかりした感じはすごく頼りになりました。私が現場で不安そうにしていたら、背中を叩いて、勇気づけてくれたんです。心強かったですね。井上さんも私が「大丈夫かな…?」と心配していると「大丈夫! 出来てるよ! だって監督が『OK』って言ってくれてるんだから」と励ましてくれました。ポジティブな方でしたね。

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――萩原さんは?

一見クール男子に見えるんですけど、実はムードメーカーでした(笑)。モノマネとかもすぐやってくれますし、「NGないのかな…?」ってくらいの面白さで、現場を和やかにしてくださいました。

――演じている役からすると、想像がつかないですね(笑)。

萩原さん自身も伊織の役が来た時に「キャスティングミスなんじゃないの?」と感じたそうです(笑)。でもそのギャップのお陰か、伊織というキャラクターがより輝いて見えました。

――撮影を通じて、髙橋監督から言われた印象的な言葉はありますか?

現場に入る前なんですけど「今までに見せたことのない表情をしてもらうから」と声を掛けてもらったんです。その時にめちゃくちゃスイッチが入ったというか、“この作品で私のイメージを変えたい”と思えたので、それはすごくポイントになりました。

――プレッシャーではなく、ハートに火をつける着火剤になったと。

そうですね。「全力で変顔します!」って思えました(笑)。なので、撮影現場では何も恥ずかしくなかったです。その一言に救われましたし、殻を破ることができたと思います。新しい一歩を踏み出すことができました。

楓は「オカン系女子」ですけど、私は「めちゃくちゃ食べる系女子」

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――一歩を踏み出す勇気の大切さを感じる作品でしたが、久間田さんが今作の撮影を通じて学んだことは?

それこそ、楓はハルのために家を借りて、ハルのために職場も選んでと、ハルのことしか考えないで、これまで人生を過ごしてきたわけですよね。でも、ほかのことに目を向けた時によりハルの大切さがよりわかったと思うんです。私もついひとつのことに夢中になってしまうから、すこし距離を取ってみて、また違った景色を見てみることも時には大事なんだなと思いました。

――近年では演技仕事も増えていて、これからもお芝居を続けていくと思いますが、今後の目標はありますか?

それこそ、昨年はいろんな作品に参加させてもらって、たくさんの俳優さんの演技を間近で見たんですけど、今作の萩原さんの姿にはすごく刺激を受けました。というのも素の萩原さんと役の萩原さんがまったくの別物だと感じたからです。“これが誰かを演じることか”と思ったし、私も今後は、陰のある役など、自分のイメージと遠い役を演じてみたいです。

――一方で役者として課題に感じていることはありますか?

私自身、めちゃくちゃネガティブ思考なんです(笑)。絶対に起きないことの最上級まで考えてしまう癖があって。

――具体的にどんな想像をしてしまうんですか?

「明日めちゃくちゃ怒られて、撮影中断になったらどうしよう…」と最悪の想定をしてしまうんです。特に新しい現場に入る前日はそうなってしまって。でも初日が無事終わると「楽しかった〜」っていつも思える。なので、あの前日の不安な時間をもうなくしたいです(笑)。

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――そんな一面があるんですね(笑)。ところで劇中には美味しそうなお弁当がたくさん登場しますが、久間田が理想とするお弁当は?

私、お肉が大好きなので、好きなものを聞かれると「お肉のお弁当」って答えるようにしています。でもピンポイントに聞かれたら……「喜山飯店の中華弁当」ですね(笑)。それこそ楓は「オカン系女子」ですけど、私は「めちゃくちゃ食べる系女子」なんです…。私、結構食べますよね……?

めちゃくちゃ食べます(マネージャー談)。

――そうなんですね…! 意外です……!

ストップをかけられないと止まらないんです(笑)。運動して消費するようにしてますけど、食べたいものを食べるためにジムに通ってます。昨日、友達と焼肉を食べに行って1人あたりタン2人前、ハラミ1人前を注文したんですけど、それだけじゃ全然足りなくて。本当はタン2人前、ハラミ2人前追加したかったんです。

――本当ですか!? どこに収まっているのか、信じられないです……。

それに加え白米も絶対に食べるので、食欲は異常です(笑)。

――食事が久間田さんの元気の源なんですね(笑)。では最後に映画の注目ポイントについて教えてくれませんか。

キュンキュンだけじゃなく、笑える要素がたくさんあるのが見所だと思います。楓の話で言うと、大人になっていく成長の過程を楽しめると思うので、そういう部分にぜひ注目して欲しいです。同世代はもちろんなんですけど、上の世代の方にも“こういう時代があったな”と楽しんで欲しいです…! 私も映画館に観にいきます!

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テキスト・取材:中山洋平、撮影:Mayuko Yamaguchi

映画『おとななじみ』

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 笑ってときめいて心温まる、ラブコメディの名手・中原アヤ(「ラブ★コン」「ダメな私に恋してください」等)によるココハナで連載された漫画「おとななじみ」。“おさななじみ”のまま大人になった“おとななじみ”の2人の進みそうで進まない恋模様、2人を見守る周囲の個性的なキャラクターたちとの人間ドラマがついに実写映画化!

井上瑞稀(HiHi Jets/ジャニーズ Jr.)、 久間田琳加
萩原利久、浅川梨奈
岡本夏美、菊池亜希子、宍戸美和公、横澤夏子村上健志(フルーツポンチ)、アン ミカ、松金よね子

2023年5月12日(金)より全国公開

©中原アヤ/集英社 ©2023「おとななじみ」製作委員会


 
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