「文化か騒音か」ストリートピアノに不要論も…益若つばさ「置く側が強い気持ちを持って、もっと楽しめる文化が広がればいい」
【映像】YouTubeで210万人の登録者 よみぃ氏の演奏
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 商業施設や駅などに置かれ、誰でも自由に演奏できる「ストリートピアノ」が議論を引き起こしている。

【映像】YouTubeで210万人の登録者 よみぃ氏の演奏

 2023年4月、兵庫県のJR加古川駅のストリートピアノが設置からわずか半年で一時休止・撤去されることが発表された。理由は「マナー違反」。利用時間を破ったり、酒に酔っての演奏など、ルールを守らない人が絶えず苦情が寄せられたのだ。

 Twitterには「駅自体広くないし、置く場所に問題があったと思う」「正直騒音にしか聞こえないことがある」「路上で演奏するYouTuberの影響もあったのでは」との声も。

 ここ数年で爆発的に増え、全国に600台以上あるストリートピアノ。設置目的は集客や純粋に音楽を楽しんでもらうためなど想いは様々だが、加古川駅のような事例が複数生じている。

 ニュース番組『ABEMA Prime』では、ピアノでのサプライズ演奏が話題のYouTuberのよみぃ氏らと共にストリートピアノの「ルール」と「文化的側面」について議論する。

「文化か騒音か」ストリートピアノに不要論も…益若つばさ「置く側が強い気持ちを持って、もっと楽しめる文化が広がればいい」
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 加古川駅では「開放時間は午前7時〜午後9時」「1回の演奏は10分程度」「歌唱やほかの楽器の演奏はNG」「営利活動NG」「写真や動画撮影、SNS投稿は周囲の人に配慮を」というルールを設けていた。

 音楽関連の記事を執筆するライターの石黒隆之氏は問題の背景について「どういう音楽を弾けばこの場に馴染むかという、前提共有がまだできていない。それもあってか、派手な曲を大きな音で弾く音楽系YouTuberも多い」と述べた。

 これを受けてよみぃ氏は「たしかに僕みたいにガンガン弾く人がうるさいという気持ちも分かる」としならがらも「僕の場合は、演奏の前に告知を行わず、小さめの音で弾いたり、混み合う時間を避けたりと気を付けるようにしている」と自身の配慮を話し、「もちろん、初心者の方もどんどん弾いてほしい。ただ、ストリートピアノで長時間練習をしてしまうと少し本来の目的とずれてしまうのではないか」と口にした。

 パックンマックンのパックンは「僕はピアノが大好きだからなくなってしまうのは残念だ。最近の日本は、音やマナーに敏感すぎる。『騒音だね。いつかやめてほしいな』と通り過ぎるくらいでいいのに。前の人が長時間弾いていても『演奏ありがとう。そろそろ代わってください』などとコミュニケーションがとれる世の中になってほしい」と考えを示し、石黒氏も「ルールを明文化しなければいけないというのがそもそも味気ない」と述べた。

 ストリートピアノの数ある魅力の一つに「見知らぬ人とのコミュニケーション」がある。石黒氏は「そもそもイギリスで公共の場に突然ピアノを置いて、音楽を介して見知らぬ人同士のコミュニケーションが広がっていく『Play me, I'm yours』というプロジェクトからストリートピアノは始まった。しかし日本にはそういった文化はまだあまりない」と解説。

 モデル・商品プロデューサーの益若つばさは「私もイギリスのロンドン駅に行った時にピアニストの友達が演奏し、それを聴いた人たちが集まってかなり盛り上がったことがある。ピアニストが弾いても、そのあと普通のおじいちゃんがポロンポロンと弾いていても活気付く。みんなで一緒にその空間を楽しむところがすごく素敵だなと思った」と振り返る。

 よみぃ氏は「たしかに少ないが、日本でもそういうコミュニケーションは存在する。演奏している人に対して、自分も演奏できるからとその場でセッションしている様子を僕は見てきた。それは石黒さんのおっしゃるようなストリートのすばらしいところであり、これから定着していく可能性もあるはずだ」との見方を示した。

 石黒氏は「加古川の件では、撤去するまでにどれだけ本気で話し合ったのだろう。とりあえず臭い物に蓋ではないけど、『クレームが入ったからとりあえずトラブル防ごう』という思考が先になってしまったのでは」と推測を話した。

 設置場所などに最低限の配慮は必要、としながらも議論の最後に益若は「もしかしたら人によってはよみぃさんが素敵なピアノを弾いてもうるさいと感じるかもしれないし、私がじゃんじゃん弾いていても、『今日はこういう人がいるんだ』くらいしか思わない人もいる。あまりルールで縛られすぎると、初めてピアノに触りたい方もハードルが高すぎて機会が減る。だから置く側が強い気持ちを持って、もっと楽しんで置ける文化が広がればいいなと。なくならないでほしいと思う」と述べた。


(『ABEMA Prime』より)

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