3月の首都圏新築マンションの平均価格が単月で初めて1億円を超えたというニュース。22日のABEMA『NewsBAR橋下』では、橋下徹氏とゲストの辛坊治郎氏が物価高や賃上げの話題も絡めて意見を交わした。
不動産経済研究所によると、3月の首都圏の新築マンションは平均価格が1億4360万円で、1973年の調査開始以来、ひと月単位では初めて1億円を突破した。工事費の高騰などが続いたことが価格の押し上げ要因に。平均価格が2億円を超えた東京23区では高級賃貸マンションも人気だという。
平均価格が上がっている理由について、辛坊氏は「三田(東京・港区)の再開発で、三菱地所と三井不動産がコラボで作っている1000戸くらいの大規模マンションがある。400戸が先行発売になり、平均価格は4億円くらいだが、即完売。今回の数字はそこが引き上げてしまった。立地がなくなってきているのもあって、高額物件が出ると数字が上がる」と説明。
住友不動産が展開する高級賃貸マンションでは、約4000室の入居率が98%に達し、入居者の86%が日本人でそのうち6割が40歳未満だという。これを受け、辛坊氏は日本内の“格差”に言及。「2000年代の小泉・竹中政権の頃に日本の格差が広がったとよく言われているが、数字を見ると縮まっている。実は日本の格差が拡大しているのはこの5、10年で、劇的だ。特にコロナ以降、ゼロゼロ融資で無利子・無担保でお金を貸してくれて、本来なら潰れなければいけない企業がゾンビみたいに生き残っている。そんな企業が賃金を上げられない一方、儲かっている企業は賃金がどんどん上がるから、格差が今ものすごく開いている」と指摘する。
また、驚いたエピソードがあるといい、「麻布十番で寿司を食べていた時に、隣にいたチャラい兄ちゃんと話をした。『今住んでいるところが家賃200万』ということで、何をしているのかを聞いたらホストクラブの経営者だった」と明かした。
これに橋下氏は「僕は弁護士としていろいろ顧問をやらせてもらっているが、お金が借りやすい環境になったことで、若くて才覚がある人はみんな起業してリターンを得ている。金融緩和については賛否両論あるが、お金を億単位で借りられたり、ファンディングで集めることもできる。お金と能力がセットにならないと事業はできないけど、うまくいく人もいる」とコメント。
さらに、「お金を持っている人たちで決定的なのは、株なりなんなり投資した人。やはり金融緩和の時に増やしている。僕らの頃は貯蓄や、額に汗して働くことが正しいこととされていたが、今はガラッと変わって、投資でリターンを得たりといったことをうまくやっているのがこの40歳未満の人ではないか」との見方を示した。
また、辛坊氏は「マンション以外にも物価が上がっているなと思ったのが、代々木あたりのハンバーガーチェーン店でセットが1700円。日本国内でその値段って、ちょっと前なら考えられない」と驚く。
橋下氏は「それは東京だけでしょう。大阪から来ると、東京はちょっと異次元。世界のニューヨークやらと張り合って、超えているくらいの都市だから。東京に住んでいる人はあまり実感がないのかもわからないが、そんな都市に住んでいたら当たり前。ニューヨークに住むと大変な家賃をイメージするが、東京のど真ん中はそれと同じ感じだと思う」と述べた。(ABEMA『NewsBAR橋下』より)