30年間、日本の給料は横ばいが続き、平均年収は韓国に抜かれた。1989年の世界時価総額ランキングでは日本企業が30社以上もあったが、今や1社も入っていない。
【映像】NTTは？ 30社→0社「世界時価総額ランキング」（画像あり）
もはや日本は“オワコン”なのか。ニュース番組「ABEMA Prime」に出演した、ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は「労働者だと日本はかなりきつい」とコメント。
「給料も低いし、満員電車も大変だ。でも、労働者を辞めて暮らせるようになると、物価は安いし、ご飯はおいしいし、治安もいい。日本にいる労働者以外の人はかなり幸せだ。ヨーロッパで1000円以下の昼飯を食べるのは難しいが、日本では当たり前だ。夕食でも1000円以下で食べられる。安く暮らせるいい国だと思う。はなまるうどんは200円代でクーラーが効いたところで食べられる。タイの屋台でも300円くらいする。『日本すげえな』と思う」
コロナ禍が終わり、観光客を呼ぶ意味ではいいかもしれないが、逆に日本人が海外行く場合は物価が高くなってしまうことも起きている。日本の現状について、ひろゆき氏は「結局、幸せではないけれど不幸でもない状態が続いている」と指摘。「今後、もっとインバウンドが復活して、外国人がバンバンお金を落としてくれるだろう。観光周りでお金が動いて、また“微妙な不幸せ”がずっと続く。先進国がどんどん伸びていくのに、日本だけが停滞したまま、今後はさらに差が広がるのではないか」と述べた。
メンタリストのDaiGoは「そんなことを言っている場合じゃない」と危機感を示す。
「今は労働力を持っている日本の会社を海外が買う。海外資本は、めちゃめちゃ真面目に働く人たちを超安く買える。今、日本の土地や建物もどんどん海外に買われている。北海道のニセコのあたりもそうだ。お金があって、最高のキッチンと食材を用意したら、最高のシェフが労働者として来る。日本の最高の人材が労働者として、海外の企業に使われる」
安全保障上、問題はないのか。元航空幕僚長の田母神俊雄氏は「外国人に買われることは、日本人が従業員として外国人に使われることになる。これは国際社会の中で生きていく日本人にとって、長期的に見て幸せなこととは言えない」と主張する。
「この30年間で世界のGDPは2倍になっている。日本だけが伸びていない。やはり国の経済財政政策が間違っている。日本はこの30年、緊縮財政をずっとやってきた。結果として、何もいいことがなく、幸せにならなかった。緊縮財政で『国債はできるだけ発行しない』『税金をもっと取らなきゃいけない』と言っている人たちは、もうみんな引退してもらいたい」
DaiGoが「30年間何も変わっていないのに政治家はその責任も取らない。僕は逮捕された元参議院議員のガーシー容疑者よりも、30年間日本を変えられていない政治家のほうが罪は重いと思う」というと、田母神氏は「それは同感だ。結果を出さない政治は意味がない。でも日本国民は優しいから、追及しない」とコメント。
田母神氏は「頑張る経営者はいっぱいいると思うが、経営者がいくら頑張っても国全体は伸びていかない。経済財政政策が、国が伸びていくかを決める。日本も世界標準でGDPが伸びていれば、今頃、大卒の初任給は50万円は超えていたはずだ」とした上で、「なんとなく『日本は駄目になっていく』という空気が支配している。でもそんなことはない。やり方が間違っているから、国が成長しないだけだ。景気が30年も悪いのは、絶対政治の責任だ。もっと真面目に考えてもらいたい」と話す。
人材流出の観点ではどうか。訪日メディア「MATCHA」代表で、内閣府クールジャパン地域プロデューサーの青木優氏は「僕は人材流出していいと思う。外でしっかり海外のナレッジや稼ぐ方法を学んで、日本に戻って取り入れていく。一時的だから、恐れなくていいと思っている」と述べる。
一方で、ひろゆき氏は「流出した人材は戻ってこない気がする」とコメント。
「僕の知り合いの金持ちの子どもはインターナショナルスクールに入れている率がかなり高い。そうすると、子どもは外国の大学に行き、外国に就職し、新卒で円換算年収1000万円みたいな国で働く。わざわざ年収400万円の国に戻ってこない。フランスでも、駐在している人が『日本に帰るのはもう嫌だ』と言って、現地企業に就職するのをけっこう見ている。フランスは、給料も高いし休みも多い。17時になったら仕事が終わって、家族とご飯を食べることが当たり前だ。20時、21時まで働く生活には戻らない」
青木氏は「住む観点でいくと、今はリモートで仕事ができるようになってきているので、海外の人で、1週間日本に滞在しながら働くこともできる。日本食がおいしい、治安が安全といった理由で一時的に働く場所として、日本が選ばれていく形はあると思う。海外の人が来て、経済的に豊かになるチャンスでもある」と話す。
DaiGoは「日本は住むのには最高の国だが、稼ぐことに向いていない」と指摘。最後に、日本のいいところとして「ご飯もおいしいし、水回りもきれいだ」とした上で「今はリモートで日本にいても海外と仕事できるから、もっと外貨を獲得するべき。1989年頃は皇居の土地でカリフォルニア州が全部買えたぐらいだ。日本円が世界の基軸通貨になると言われた時代もあったから、ポテンシャルはある」と述べた。（「ABEMA Prime」より）
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