15歳未満の子どもの人口が、過去最少だった昨年をさらに更新し、42年連続で減少した。出生数が初めて80万人を下回る中、少子化の要因について、Twitterでは「恋愛とか結婚って面倒」「ネットが発達して他に楽しいこといくらでもある」「女性が高学歴化したのが原因なんじゃない?」などの声が寄せられている。
【映像】リアルすぎる…年収700万円以上の男性の“既婚者”率(グラフ画像)
日本を襲う少子化の本当の原因はどこにあるのか。社会情勢と少子化の関係を研究している、東京財団政策研究所主任研究員で医師の坂元晴香氏に聞いた。
ニュース番組「ABEMA Prime」に出演した坂元氏は「価値観の多様化ではなく、若い世代の貧困や不安定な雇用状況が根本的な原因だ」と話す。
若い世代の価値観の変化などは未婚・少子化の原因ではないのか。坂元氏は「個人で見ると例外的な人は当然いると思うが、データ上は少なくとも関係ない」と答える。
「基本的に大卒以上の学歴で年収600万〜800万円以上で見ると、結婚していない人の割合は数%で、一桁%まで落ちてきている。特に男性は、収入や学歴に明確な相関関係があることが国のデータから分かっている」
一方で、女性は二極化しているという。
「一番収入の低い層と収入の高い層の女性は結婚している。少し前までは高学歴女性、大卒以上の女性は子どもを産まない割合が高かった。直近の調査では、逆転まではいっていないが、女性の学歴と子どもの数に相関がなくなってきている。収入が低い層は少し解釈が難しく、結婚や妊娠、出産を機に仕事を辞めて現時点で収入がない女性も含まれる。結婚前や出産前に収入があった女性が適切にデータとして捕まえられていない」
ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏が「高収入、高学歴の人で結婚していない女性を見かける」と指摘すると坂元氏は「印象の問題だ」と回答。実際のデータでは「高学歴の女性のほうが結婚している」という。
また、未婚者を「同棲中」と「同棲はしていないが交際相手がいる人」「交際相手もいないシングルの人」の3つに分けたところ、坂元氏は「増えた未婚者は、そのまま交際相手のいないシングルの増加に繋がっていた」と説明。
「男女共に『結婚相手に何を求めるか?』を調査をすると、一昔前までは、女性が男性に経済力を求めていたが、直近のデータでは男性側も女性に経済力を求めるようになっている。特に若い20代、30代は顕著だ。やはり、男女ともに経済力を求める傾向があり、一定程度の収入がないと婚活市場にそもそも参戦できない。低収入、非正規、無職という時点でスペック的に弾かれるから、婚活や恋愛市場に出て行けないことがデータから読み取れる」
お金がないと結婚の手前の恋愛、異性とのお付き合いにも至らない現実。坂元氏は、収入について「結婚だけではなく、異性との交際にも相関関係が見られる」という。
「年収が高い人ほど交際相手がいて、異性との交際に『興味がある』と答えている。年収が低くなればなるほど、交際相手もいないし、交際にも『興味がない』と答える割合が多い」
ひろゆき氏が「安田大サーカスのクロちゃんが、20代の女性と付き合ったり、極楽とんぼの山本圭壱さんも20代の女性と結婚した。男性が50代で、女性が20代の組み合わせは見るが、逆のパターンで、女性が50代で男性が20代みたいなケースは増えているのか」と質問すると、坂元氏は「若い男性をパートナーとして選びたい女性は、少なくともデータ上では出てきていない」と回答。
「年齢の好みを国のデータで分析をすると、男性は30代半ばぐらいまで、だいたい自分と同世代ぐらいの女性を好む。そこから先は年齢が上がるにつれて、自分と同世代の女性ではなく、自分より7〜8歳ぐらい若い世代を求める男性が増え、女性に収入を求める人は減る。一方で、女性は男性に対して若さを求める傾向は今も昔も全くない。女性は今も昔も、どの年齢層でも自分の年齢プラスマイナス2ぐらいの男性を選びたい傾向がある」
(「ABEMA Prime」より)
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側