メンバーそれぞれが迎えた結末に、MC陣も大きく心を動かされたようだ。ABEMAオリジナルシリーズ恋愛番組『花束とオオカミちゃんには騙されない』がついに最終回を迎えた。
ABEMA TIMESでは最終回収録直後に、横澤夏子、飯豊まりえ、滝沢カレンといったMC陣の座談会を実施。今作は、シリーズで初めて導入された“花束を渡されたら嘘はつけない”というルールが、物語を大きく左右した。3人による振り返りをぜひ楽しんで欲しい。また、飯豊は今回の『花束オオカミ』をもって、番組MCを卒業する。2018年から携わった『オオカミ』シリーズについて振り返ってもらった。
ちせとおみの結末に飯豊まりえ「辛い思いもしていたんじゃないかな…」
横澤: いや、今回も泣ける結果になりましたね…!
滝沢: 花束ルールというシステムが、放送回を増すごとに効いてきた気がします。花束を渡す・渡さないは、それぞれ自由じゃないですか。だからこそ使い方の進化が見られたというか。こっちが予想しなかったような渡し方があったことに驚きました。
横澤: 発展が見られたよね…! 凄かった。女の子が女の子に渡すなんて思わないし(#12ではくれは<中川紅葉/22歳/女優・タレント>が、なぎさ<齊藤なぎさ/19歳/女優・声優>に花束を渡し『オオカミちゃんですか?』と質問する場面があった)、おみおみ(夏生大湖/22歳/俳優)がちせちゃん(24歳/インフルエンサー)が使っていたことを隠していたことにも驚いた。
滝沢: 本当に。でもおみおみさん、よく頑張りましたよね。
飯豊: 男女の関係性によっても花束を渡すタイミングが変わってきますよね。それで言うと、おみくんは包容力のある方だということが最後に気づけて。
横澤: そうだね。
飯豊: 今回、ちせちゃんは番組の中での役割を全うしようと、どこか曖昧な子を演じていたけれど、おみくんと二人三脚で進んでいたことが、最終回にわかったことで、私自身の気持ちも救われた部分がありました。
横澤: 最終回を見ると、おみ&ちせのやり取りは最初から見返したい気持ちになるよね。そもそも、私はちせちゃんって、感情を表に出さないタイプの子と勝手に思っていたんです。けれど、花束を渡されて「オオカミちゃんです」と、カミングアウトした時に、すごく素の部分が出ていて、それがかわいらしくて。そんな一面があることを、初めて知ることができてうれしかったですね。
飯豊: かわいかったですよね。おみくんに対して「これ(事実)を知ってても、最後まで一緒にいて欲しい」と素直に伝えていて。
横澤: そう…! だからみんなと話している時は、きっとなんとなくバリアを張っていたんだろうなと思ったというか。辛い瞬間もあっただろうけど、やり切ってくれた姿に感動しました。
横澤夏子、なぎさは「役割に徹するプロフェッショナルだった」
――最終回はとうたろうさん(柊太朗/22歳/俳優)が渡した赤い風船が、空へと飛んでいくシーンも印象的でした。
滝沢: 目の前であんな風に笑われたら、みんななぎさちゃんのこと好きになっちゃいますよね。あんなにかわいいんだもん。
横澤: 「オオカミちゃん」をしっかりやり切っていましたよね。まさに「アイドル(=偶像という意味)」というか、なぎさちゃんの存在自体が幻かのように、キラキラしていて。そしてそういう役割に徹するプロフェッショナルだったなって。
飯豊: 私、最初の取材の時(初回収録の際に行われた合同取材)に「現役アイドルを卒業してすぐこの番組に出てくださる勇気と挑戦したい気持ちがすごい」「応援したくなりました」と言ったのですが、なぎさちゃんは、この番組のルールに沿って、“騙す”という役割を誰も傷つかないように全うされていたなと感じました。
横澤: そう…! そこが本当にプロだったよね。
飯豊: 相手が嫌になるような騙し方は一切していないんですよね。最後までちゃんと役割を全うしている姿はすごく好感が持てましたし、「なぎさちゃんすごいな」と素直に思いました。
横澤: なぎさちゃんは途中で「みんなを騙してる」みたいなことを言っていたんだけど、とうたろうだけじゃなく、全員を騙している罪悪感を抱えていたんだなって思った。でもそんな中で、あんな振る舞いができるのはなぎさちゃんしかいないよね。
飯豊: くれはちゃんから花束をもらって、でもすぐに「オオカミちゃん」と言わなかった忍耐強さもすごいですよね。なかなか、あんな風にはできないと思うんです。
横澤: 言い方は正解じゃないですけど、化けの皮が一向に剥がれないというか(笑)。仮に剥がれていたとしても、剥いでも剥いでも、なぎさちゃんだったというか。
滝沢: 本当にそうですね(笑)。
横澤: やっぱりなぎさちゃんがいると、その場がなぎさちゃんモードになってましたよね。自分のペースに持っていって空気を支配する力が本当にプロだなって。
滝沢カレン、今シーズンは「すごく青春っぽくて良い。過去シーズンに比べても協力関係が強かった」
――今回のシーズンで印象的だったシーンは?
横澤: みづきちゃん(美月/22歳/モデル)がマテウス(22歳/モデル・アーティスト)に花束を渡して、花束ルールの権利を委ねたのも新しかったですよね。それでいて、マテウスは「俺といて楽しかった?」なんて聞いたりして。そこでマテウスのさっぱりとした性格がしっかり見て取れたというか、“いい男なんだな〜”っていうのがちゃんと伝わってきた。
――マテウスさんはみづきさんに対して真っ直ぐでしたね。
滝沢: 真っ直ぐでしたね。好きなんだな〜っていうのが本当に伝わってきた。大恋愛ですよね。
横澤: マテウスってひとつも嘘がないよね。華やかな存在だから花束がぴったりだったけれど、その花束がなくてもずっと正直な男でしたね。
滝沢: りゅうたろう(今井竜太郎/17歳/俳優)とマテウスの階段トークも良かったですよね。髪型の話だけであんなに盛り上がるなんて、すごく青春っぽくて良いなと思いました。
飯豊: 今回、特に男子メンバーは仲良しでしたよね〜。
横澤: 大人のキュンキュンじゃなく、中高生のキュンキュンが味わえるっていうね(笑)。見ていて「かわいい〜」と悶えるシーンが多かったように思います。
滝沢: 過去シーズンに比べても協力関係が強かったというか、男の子は男の子で相談したりとか、みんなで動いて思いを伝えていく作業がかわいかったですよね。
飯豊: それと今までの『オオカミ』だとアーティストだったり、格闘家だったり、バレリーナだったり、個人の特性が見えるデートが行われていたけれど、今回はゆっくり会話を楽しんでいたのが印象的でした。
横澤: そうだね…! 気球デートとかもあったけれど、会話が全部面白かったよね。
飯豊: あとは、LINEがくるだけで「怖い!」と盛り上がったり、すごく繊細な関係性だったんだなと感じました。すごく距離が縮まって「もう実は裏で連絡先を交換してるんじゃ?」と疑ってしまう時もあるじゃないですか(笑)?
横澤: あるある(笑)。
飯豊: でも今回は一貫してプラトニックな印象を受けましたね。
横澤: さらっとしてるというかね。だからこそ感情むき出しになっている瞬間もあったし。
――まなみさん(永井愛実/20歳/アーティスト)の復活というドラマティックな展開もありました。
横澤: 復活のまんちゃんとロビン(20歳/K-POP練習生)は大人気ですけど、三角関係になっていたかりんちゃん(17歳/インフルエンサー)と取り合いみたいな空気に一切なっていないのがすごかったですよね。かりんちゃんはかりんちゃんのペースで成長していく物語がとても良かった。
滝沢: すごく自然な三角関係でしたよね。不思議なくらいに。
横澤: 序盤はなぎさちゃんもアプローチしていたのに、まんちゃんとロビンは自然に恋に落ちたっていうのが、まさに韓国ドラマ的な展開というか。ロビンが織りなす甘い時間というのが本当にたまらなかたった…!
飯豊: そんな、まなみちゃんが脱落した時のなぎさちゃんとの会話だったり、ちせちゃんがすごく号泣している表情だったりが、ずっと頭の片隅に残っていたのですが、最終回を見て点と点が繋がったなと思いました。本当にみんないろんなものを抱えながら、あの場に立たれていたんですよね。
飯豊まりえ、約5年携わった『オオカミ』シリーズを卒業「私にとっても大きい経験でした」
――飯豊さんは2018年からこの『オオカミ』シリーズに携わり、今シーズンをもって卒業されます。振り返っていかがですか?
飯豊: 最初に出演させていただいた時は20歳だったので、まさに同世代の恋愛を見届けている感覚でしたし、番組を通して見届けられたのがすごく貴重な体験でした。
横澤: 確かにね。
飯豊: そこから年を重ねるにつれて、「こんな感情の時もあったな」とか懐かしい気持ちになれる瞬間もありましたし、長い期間出演させていただけたことで、その時に感じることが変化してきたように思います。もちろんその時に出演される方によって番組の雰囲気も変わりますし、振り返るとどれも面白かったですね。
――飯豊さんがスタジオで大号泣する場面もありました。
飯豊: そうですね(笑)。
滝沢: 確かに、涙流しているイメージはあるかも(笑)。
飯豊: 感情が動くことは多かったです。あと、番組作りは難しいなと感じましたし、やっぱり夏子さんやカレンちゃんはちゃんと現場の空気を理解してお話されていてすごいなと…。
横澤: そんなことないよ! こんだけ感情的になっている人もなかなかいないよ(笑)。私もどんだけ泣いてるか。
飯豊: ふふふ(笑)。そんな中で、私はつい正直になってしまっていましたし、曲げられないところは曲げられない性格なんだなと、自分を発見することもありました。そういう意味でも、見届ける立場を通じてお勉強させていただきました。
――飯豊さんの本音を聞けるという意味でも存在を身近に感じられる番組でした。
飯豊: 本当ですか(笑)。でもいろんなことを考えさせていただけた番組でした。すごく楽しかったですし、何年も同じスタッフさんとご一緒できたことが、私にとっても大きな経験でした。本当に感謝しています。これからの『オオカミ』シリーズも楽しみに待っています!
『花束とオオカミちゃんには騙されない』はABEMAにて全話配信中。
テキスト・取材:中山洋平
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