セブン&アイ 社長継続も閉鎖拡大のそごう・西武、イトーヨーカドー「百貨店もスーパーも無くなったら、地方の消費者はどこで買い物をすればいいのか?」
【映像】セブン&アイHD コンビニ事業の売上は?

 5月25日の株主総会で井阪社長の続投が決まった。

【映像】セブン&アイHD コンビニ事業の売上は?

 コンビニ・スーパー・百貨店事業などを行うセブン&アイでは米投資ファンドと経営の間で対立が起こっていたが、落着したのだ。

 社長解任となれば、百貨店やスーパーの閉店が加速し、私たちの生活にも大きな影響を与えるかもしれない事態だったわけだが、セブン&アイで何が起きていたのか? テレビ朝日経済部 小売り・百貨店担当の横山純子記者に聞いた。

 まずはセブン&アイHD昨年度の売上を見てみよう。

◆コンビニ事業売上:9兆7364億円 国内コンビニ事業47年連続黒字
◆スーパー事業売上:1兆4491億円 主となるイトーヨーカ堂は3年連続赤字
◆百貨店事業売上:5073億円 4年連続の赤字

 主な株主である米投資会社「バリューアクト・キャピタル」は「コンビニ事業に注力すべきだ」として「イトーヨーカ堂などのスーパー事業の切り離し」を求めていた。さらに社長交代となれば百貨店「そごう・西武」の早期売却の可能性もあったのだ。

 これに対し、セブン&アイ側は“食”へ注力。「食の強みを生かすためにスーパー事業は必要」として一貫して反対。「そごう・西武」売却の期限についても二度延長していた。

 こうした中、バリューアクトは井阪社長ら4人の取締役の解任を提案したのだ。

▪️西武池袋本店にヨドバシカメラ?

――売却が決まっている西武池袋本店はどうなるのか?

 売却先の米投資会社「フォートレス・インベストメント・グループ」は、大手家電量販店の「ヨドバシカメラ」を、西武池袋本店や千葉そごうなどに出店し再建を図るとしている。有力視されているのは、西武池袋本店北側部分のB1~6Fへヨドバシカメラを出店する案だが、現在のテナントを上階に移転する際の改装費用や、集客の面などでテナントにとって大きな打撃となり、テナントは撤退の可能性が高い。ヨドバシカメラの出店は、家電を購入したい消費者にとっては朗報だが、高級ブランド品やデパ地下のお惣菜や菓子など、百貨店でしか買えない商品や経験を楽しみたい消費者は困るだろう。

――地元自治体などはどのように受け止めているのか?

 豊島区は「西武池袋本店は池袋の顔であり、アートカルチャーの街づくりを進める上で家電量販店激戦区のようなイメージがつくことは望ましくない」として、ヨドバシの低層階出店に反対。そごう・西武の労働組合も4月に西武池袋本店の事業継続を求めて5日間署名活動を行い1万4484人分の署名を豊島区に提出している。

――売却によって雇用の問題はどうなるのか?

 セブン&アイHDや、売却先の投資ファンド フォートレスは「雇用を最大限守る」としているが、これまでにそごう・西武側に対し具体的な説明はされていないとのこと。関係者によると西武池袋本店で働く人数は1,000人ほど、取引先も含めると1万人超だが、北側フロアの大半がヨドバシカメラになると、これまでと異なる業務となり、退職を選択せざるを得ない人も出てくる可能性があるという。

▪️地方ではスーパーも百貨店も減る?

――今回の件は東京に限らず、全国的な問題かと思う。地方への影響は?

 そごう・西武は、売上の低迷などで地方での閉店が相次いだが、地方店の再建がままならなければさらに閉店の可能性も。地方の消費者は、百貨店での買い物を楽しむ機会がますますなくなってしまう。イトーヨーカドーも首都圏への集中が発表されていて、今後の経営次第で身近な買い物の場に大きな変化をもたらすかもしれない。


(『ABEMA倍速ニュース』より)

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