5月21日に閉幕したG7広島サミット。ABEMA『NewsBAR橋下』ではその最中の20日、橋下徹氏とゲスト出演した古舘伊知郎氏が「核兵器のない世界」の実現について議論を交わした。
橋下氏は「現実論として、アメリカの核の傘に日本は守られている。被爆国だから自分たちは作っちゃいけないけど、一番リスクのあるところを他国に委ねるというのは、すごく無責任ではないか。作らないなら核の傘にも入らないというのが筋だと思う」と指摘。「実際は国際ルール上無理だし、もし日本が持とうとしたら国際社会から制裁・非難されるだろうが」とした上で、次のように続ける。
「ロシアとアメリカは核を持っているから“お互いに攻撃しない”と、糸を張り詰めた状態でバランスを保っている。もしロシアが核を持っていなかったら、アメリカはやっつけに行くだろう。戦後の教育で“核は悲惨だ。だから全部なしだ”という考え方はあるが、一方で、日本が核を持ってちゃんと運用できるような国だったら落とされていなかっただろう、というのが僕の持論だ」
これを受けて古舘氏は「核は死んでも作らないとして、どれだけしたたかにやるかだ。どちらかにいって原理主義者になると、あっという間にすごいことになってしまう。怖がる部分と冷静に考える部分、矛盾する2つをハイブリッドで持っておこうと思っている」と自身の考えを説明。
さらに、「ミサイルに固定燃料を充填されたらどこから撃ってくるかわからないし、潜水艦からという可能性もある。実際に燃料注入の段階で切っ先がこちらに向いていると分析しても、反撃は難しい。スイスに取材に行った時は各家庭、見たかぎり山間にもシェルターがあった。日本に反撃能力があるかないか、それを使う機会がなかなかないのであれば、シェルターをしっかりと整備するほうにお金をかけるとか、納得する予算立てをしてほしい」と述べた。
橋下氏は「スイスは確かに中立国だが、いざという時には国民全員が戦わなければならない。自国が占領されそうになったら、『焦土作戦』といって国を自分たちで潰してしまう。“侵略されて国を奪われるくらいなら全部焦土にする”という覚悟で、みんなが武器を持って訓練をしている」と説明。
古舘氏が「日本はスイスに学ぶべきだ。自らを焼き尽くす“ハリネズミ国家”。攻められないように重武装をして、“いざとなったらこうなる(焦土にする)”“自分からは絶対に攻めない”と宣言している」と応じると、橋下氏は「それを日本ができるかというと、無理だろうと思う」との見方を示した。
そして、「核兵器の話をすると“お前は極右だ。右翼だ”と言われるが、持っていてもやられるまでは絶対に使わない。世界最強なんだけど、自分が殴られるまでは絶対に手を出さないというような、超臆病なボクサーみたいになってもらいたいと思っている。臆病側の話をすると今度は“お前は極左だ。平和主義者だ”と言われるけど、核ぐらいのものを持ちながら“自分がやられるまでは反撃しない”という国になってもらいたい」とした。(ABEMA『NewsBAR橋下』より)