岸田総理の長男・翔太郎氏が、公邸での忘年会が問題視されたことを受けて総理秘書官から更迭された。同性婚などに関してオフレコで差別発言をした荒井勝喜前秘書官の更迭は早かったが、海外公務時における“公用車でお土産購入”など公私混同ぶりが非難されていた翔太郎氏への対応は遅かった。
「総理秘書官」は国家公務員の特別職で、与党幹部との面会調整から、総理のスケジュール管理、外遊への帯同など、側近中の側近といえる存在だ。翔太郎氏は岸田事務所の公設秘書を務めていたが、政権発足1年後の2022年10月に政務秘書官に抜てき。「後継者として総理自ら育てたい」との思惑での人事とされるが、当初より野党からは批判されていた。
ABEMA NEWS政治担当の今野忍記者は、「秘書官の『官』が取れただけで、あまり変わりがない」と話す。「総理の秘書官ではなくなったものの、岸田事務所の秘書に戻り、公邸にも住み続ける。官邸へ出入りするなど、実質的な業務内容は変わらない」。
元衆院議員の宮崎謙介氏は、中には「大したことない」と感じる人もいるとしながら、報道のタイミングに着目。「12月30日の写真であれば、文春は1〜2月に画像データを押さえられていたはずだ」とし、G7広島サミット閉会後に報じることに「ここで足を引っ張ることで、誰が得するの? 日本全体のことを考えたらもっと先に出すべきだった。国益に反している」と疑問を呈する。
元東京都知事の舛添要一氏は、「ひな壇ごっこをして遊んだって何の問題もない。寝そべったりして組閣ごっこをやったことで、国民がどれだけ損をしたか。何のマイナスもないはずだ」と問いかける。公用車問題についても、「ロンドンで総理秘書官の長男がタクシーに乗っているのを現地の人が見たら完全に馬鹿にされる。『(政治家は)24時間公務』と言われている以上、どこにいようと公用車を使っていいじゃないか」としつつ、「そのような批判よりは、少子化とかの政策をやらないとダメ」と指摘。
今野記者は「32歳の翔太郎氏が総理秘書官にふさわしかったのか」という論点が根底にあるとして、もし仮に私設秘書として、岸田総理のポケットマネーで近くに置いていれば文句は出なかったのではと推察する。「総理秘書官は、事務6人、政務2人の8人いる。もう1人の政務秘書官である嶋田隆さんは、経産省の事務次官を務めるなど官僚のトップになった人で、彼が言えば霞が関が動く。一方の事務秘書官も財務省や外務省など一線のエースとしてそれなりに影響力を与えられる人が入っている中で、翔太郎氏は浮いていた。そこでああいう写真が出てくると“大丈夫なの?”となってしまう」とした。(『ABEMA的ニュースショー』より)
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