こうツイートしたのは、グラビアアイドルの枝窪純子さん。6月10日、埼玉の県営公園での「水着撮影会」が突如中止に。しかも、イベント開催2日前の決定とあって、動揺が広がった。
埼玉の県営公園での「水着撮影会」は、2018年から約120回行われている。これまで、公園を管理する埼玉県公園緑地協会は「露出度の高い水着」や「過激なポーズ」などの禁止を条件に、開催を許可していた。しかし、市民から「ポーズが過激だ」といった苦情メールが寄せられ、協会が過去の水着撮影会を確認したところ、該当する写真が見つかったという。
さらに、日本共産党の埼玉県議会議員団が「水着姿の女性がわいせつなポーズやわいせつなしぐさで映っており、明らかに『性の商品化』を目的とした興業です」として、埼玉県に対して、6月24日、25日に予定されている水着撮影会への、県営「しらこばと水上公園」の貸出中止を申し入れた。過去のイベント動画では「未成年も出演しているという情報」もあるとして、都市公園の目的にふさわしいものとは考えられないと、共産県議団は指摘している。
こうした申し入れや、住民からの指摘を受け、協会はイベント会社に中止を要請。6月10日〜25日に県内2カ所の公園で予定していた6回の「水着撮影会」が中止となった。さらに、協会は公園での水着撮影会を、今後一律に許可しないと決定した。
イベントに参加予定だった枝窪さんは、「私たちはちゃんと仕事として、頑張ってきて、その結果としてここに出演させてもらっているのです。私たちグラビアアイドルは強制され性被害としてプール撮影会に出演している訳ではありません。好きで水着を着ているし好きで撮影会に出演しています」とツイートしている。
では、他のグラビアアイドルは今回の判断をどう思うのか。高田千尋さんは、もし過去に過激なポーズや、未成年の参加があれば、まず主催者や当該アイドルへの注意から行うべきではないかと、取材に答える。撮影会自体を中止してしまったことを疑問視しながら、「9割のグラビアアイドルと主催者は、そういうのも守ってイベントをやっている」と話す。
「撮影会に向け、みんなそれなりに身体をつくって、準備をずっとしている。そこに参加している人たちは、オーディションを勝ち抜いて『やっとここに立てました』という舞台。しょうがないと思えない理由で中止というのは悲しい」(高田さん)
中止によって、思わぬ余波も。「水着撮影会」の主催者側から、約70個の弁当注文を受けていた「立川海鮮丼MONROE海の贈り物。」は、開催2日前に中止連絡を受けた。店は仕入れが済んでいるとして「せめて1ヶ月前に通達を」とツイート。店長の高橋セイムさんは「生活がかかっているので、ちょっと真剣に考えてもらいたい」と語る。結果的には、主催者側が別のイベントを組み、弁当もすべて買い取られたが、減額を余儀なくされ、「2割ぐらいは実質目減りした」という。
11日の『ABEMA的ニュースショー』では、この騒動を議論。お笑いコンビ「FUJIWARA」原西孝幸は、「性の商品化に反対だって言うんだったら、最初ここですか?と。怒っているのは“薄味”なことで、もっと“濃い”ところあるんじゃないの?と思う。そこから切り込んで、事象が下がってくるならわかるけど」と疑問を呈する。
元週刊SPA!副編集長の田辺健二氏は、「過激なポーズ」を取り締まるのは難しいと話す。「エロ」の基準は、人それぞれで、あいまいなものだとして、雑誌編集における「電車の中吊り広告」のエピソードを説明。
「セクシー系のタイトルは、いつも議論になる。それは毎週、ある1人の担当とのやりとりで、この人がOKならOKで、ダメならダメ。ある時はOKな表現が、ある時からダメになったり、急に伏せ字を求められたりする。『あなたの基準で雑誌が作られるのか』という話にもなり、なにか公平な基準がない限り、取り締まることは本当に難しい」(田辺氏)
元衆議院議員の宮崎謙介氏は、政治側からクレームが入ったことで、行政がストップをかけることは「ありがち」だと言う。「担当者もビビってしまって、“Twitterで過激なものが出回ったとなると、苦情の電話が殺到する”と判断したのでは。政治家と行政は痛くも痒くもないので、主催者やタレントのことは考えない。行政に想像力と胆力がなかったということだと思う」と推測した。(『ABEMA的ニュースショー』より)
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