23日に放送された「探偵!ナイトスクープ」で、5月19日に亡くなった初代局長である上岡龍太郎さんに哀悼の意を表し、上岡局長時代の名作VTRと懐かしい映像で当時を振り返った。
番組冒頭、松本⼈志局長以下、喪服で勢ぞろいした探偵局の面々。松本局長は上岡氏の訃報に接し「(発表の)前日ぐらいに笑福亭鶴瓶さんから連絡があって知ったんですが、結構デカめの声で『ええっ!』って叫んでしまいましたね。何年か前に鶴瓶さんと食事をしてた時に、たまたま上岡さんの話になって、鶴瓶さんが『電話してみよか』。そしたら、すぐに出はって『松本に代わります』と。そこまで親しくお話ししたことはなかったんですが、『いつも観てるよ』と言うてくれはって。」と上岡初代局長との意外なエピソードを明かした。
今回、紹介するVTRは、トミーズ雅探偵が調査した「大阪弁講座」(93年8月6日放送)、桂小枝探偵の「チチヤスヨーグルトのフタ」(93年5月21日放送)、長原成樹探偵の「四十八茶を飲んだ犯人」(97年10月24日放送)、ジミー大西探偵の「巨大シジミ発見!?」(95年4月21日放送)の4つ。
最初の「大阪弁講座」は、地方から料理修業のため大阪に出てきた3人の青年からの依頼。「私たちはみんな、地方から集まっているので大阪弁が話せなくて恥ずかしい思いをしている。ぜひ、僕たちをバリバリの関西人にして欲しい」というもの。トミーズ雅探偵は早速、大阪弁講座を開くも大阪弁体得は至難の業で、特に「ちゃうちゃう」の使い方には大苦戦。さらに実技試験では、たこ焼き屋で値切ってみたり、ナンパに挑戦したりするのだが…。しかし、VTRを見た上岡局長は「自分たちの言葉を大事にするのが一番いいですよ」と実に誠実なコメントを放つのだった。
「チチヤスヨーグルトのフタ」は、東京都の女性(当時26)から。大阪に住んでいる友達に聞いたのだが、大阪空港の近くに大きなチチヤスヨーグルトの容器が広告としてグルグル回っているらしく、その容器には「製造年月日は上蓋に記載」と書かれてあるそうだ。本当に製造年月日が書かれているのか調べて下さい、というもの。この依頼を聞いて、上岡局長は「こんなもん、上から見たら簡単やがな。これを桂小枝君がアッと言う間に済ましてくれましたね」と振るのだが…?
「四十八茶を飲んだ犯人」は、愛知県の男子中学生(当時13)から。「先日、僕は大阪のなんばグランド花月に遊びにいった。そこで記念に、なんばグランド花月で四十八茶というお茶を買ってきた。しかし、僕が学校のキャンプに出掛けている間に、家族の誰かに飲まれてしまった。家族一人一人に聞いたのだが、みんな『知らん』という。ばかばかしい依頼だが、犯人を見つけて欲しい」というもの。大の吉本ファンの依頼者は、特に桂三枝(現・六代桂文枝)と吉本新喜劇が大好きで、長原探偵がタジタジになる一幕も。そこで、長原探偵が凄みを効かせ、家族全員の調査を始めるのだが…。祖父母、両親、兄も一緒になって小芝居で盛り上げた逮捕劇は必見。上岡局長に「探偵局始まって以来の探偵らしい依頼」と言わしめた傑作だ。
「巨大シジミ発見!?」は、東大阪市の男性から。「実は私は大発見をしてしまった。服部緑地の池に、普通の何十倍もある巨大なシジミ貝がいるのだ。しかもゴロゴロあった。これ1粒あれば大家族でも満足しそうなので、食糧危機の心配もなくなると思う。ただ、あまりに大きすぎて恐ろしいので、一緒に採りに行って欲しい。そして腹いっぱい食べましょう」というもの。巨大シジミの大漁に大喜びするジミーだったが、料理顧問の林裕人先生の元に持ち込むと、「臭い! こんなもん持ってくるな!!」。はたして、これはシジミなのか? そして、食べることはできたのか!? 記念すべきジミー大西の探偵デビュー作。珍コメント連発ながらも、ジミー大西の初々しい探偵ぶりを見守る上岡局長の優しいまなざしが印象的だ。
エンディングで松本局長は「上岡さんに残していただいた偉大な番組ですから、我々は本当に頑張って引き継いでいかないといけない」と決意を新たにした。
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