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 若者の活字離れが進む中で異例のメガヒットを記録、シリーズ累計発行部数65万部突破した櫻いいよによる青春小説 「交換ウソ日記」(スターツ出版文庫)が実写映画化、7月7日に公開される。

【映像】高橋文哉&桜田ひよりサプライズ登場!2人の課外授業に大熱狂

 学校イチのモテ男子から突然届いた「好きだ」の手紙。でもそれは、親友宛のものだった。勘違いから始まった交換日記を続けるうちに、彼への想いを募らせていく不器用なヒロイン。ウソから始まった切ない片想いを描いた本小説は、ティーンを中心に絶大な人気を集めている。

 学校イチのモテ男子で、思ったことをすぐ口にするド直球な性格の瀬戸山潤(せとやま・じゅん)を演じるのは、本作が恋愛映画初主演となる高橋文哉。2019年『仮面ライダーゼロワン』で主人公に抜擢され、「最愛」や「君の花になる」での好演も話題を呼んだ今最も勢いのある若手俳優だ。そしてつい空気を読みすぎてしまう不器用なヒロイン、黒田希美(くろだ・のぞみ)を演じるのは、 Seventeenの専属モデルとしても活躍し、ドラマ「silent」(22/CX)など、話題作への出演が途切れない最注目の若手女優、桜田ひより

 どこまでも謙虚に丁寧に役作りに臨んだ2人。「今の年齢だからこそ演じられる作品」そう自信を持って語る2人に作品について話を聞いた。

高橋「役者としてこの年にしかできない役」

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――今回、おふたりは初共演ということで初めて会った印象を教えて下さい。

高橋: 桜田さんは良い意味でとっつき易くて、すごく笑ってくれるし、優しい雰囲気に包まれてる印象があります。20歳の等身大のかわいらしさはもちろんですが、その中に責任感だったり、自分が今このタイミングでどういう風にいるべきなのかみたいなものをしっかりと考えて現場に臨む姿勢を感じ、とても尊敬しています。

桜田: 私も優しそうな方だなという印象です。すごく優しくて周りに気をつかえるお兄さんです。私が人見知りなのでうまく話しかけられないのですが、高橋さんはとてもフレンドリーで、私を含め他のキャストの方たちとも積極的にコミュニケーションをとりにいって、周りをよく見ている方だなという印象を受けました。

――高橋さんは恋愛映画初主演ということですが、オファーをもらった時の感想をおしえてください。

高橋: 素直にとても嬉しかったです。キラキラしてる恋愛作品の実写というのは、役者としてこの年にしかできない役だと感じています。また、台本をいただいて瀬戸山の魅力だったり、作り手の方が何を瀬戸山を通して伝えたいのかなどを考えていくうちに、この役を僕に任せたいと思っていただけたことが嬉しくて、今までやってきてよかったと思いました。この期待に確実に応えていきたいです。

原作は読んでいなかったのですが、お話をいただいたときに読ませていただきました。小説の実写化作品出演は初めてで、僕が瀬戸山、桜田さんが希美をというイメージで読んでいたので、すごく楽しかったです。

――そうなんですね。桜田さんはオファーを受けたときはどう感じましたか?

桜田: 私も若いからこそできる作品だなという印象をうけました。今しかできない役だと思うので、自分が大人になったときに振り返って、この時の自分はキラキラしてたなと、いつまでも思えるような作品にしたいと思いました。自分の代表作になるような映画だと思いますし、存分にこの映画に浸りたいなという思いで、オファーを受けました。小説も同世代の方にささる小説で、読んでいてキュンキュンしましたね…(笑)。これをどう演じようかと考えながら、いち読者としても楽しんで読ませていただきました。

桜田「私も希美ちゃんと一緒で人の話を聞いていることが好きなタイプ」

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――役柄に共感する部分はありましたか?

高橋: 圧倒的にモテる素質を集めた瀬戸山という人間を演じていて、とても気持ちがよかったです。でもそこに対して浮かれることもなく、ちゃんと自分のいる位置を理解してるところが彼の良いところで、とても好きだなと思いました。自分の思うことを相手にしっかりと伝えて、自分なりの信念を持ってる部分は、自分と近い部分があるのかな。僕自身も好きなものは共有したいタイプなので、そういうところも共感できました。

桜田: 私は、希美ちゃんと一緒で話を聞いていることが好きなので、誰かが話しているときに、ふんふんと聞いてるところかな。希美ちゃんは言葉選びがとても丁寧な女の子で、思ったことをパッと口に出すのではなく、いったん自分の中で考えてから意見をしている姿はちょっと似ているかなと思いました。私も相談事をされたりすると、その人に合った言葉選びをしていきたいなという気持ちが常にあるので、希美ちゃんもそのタイプかなと思いました。

――演じていて難しかったところは?

高橋: 瀬戸山の感情の置きどころです。今誰のことをどれくらい思っていて、自分のことをどれくらい理解しているか、みたいなニュアンスが難しかったです。そこについては台本を読んだ段階から感じていましたし、瀬戸山が作り出す物語のなかで、どういう影響を他のキャラクターたちに与えていけるのかを常に考えながら演じていました。

桜田: 私は家で交換日記を書くシーンです。基本的に書くシーンは1~2日かけて最初の方で一気に撮影したので、瀬戸山くんと会話を徐々にしていくなかで、日記の書き方だったり、日記を書いていて思いつめる表情だったり、その段階を演じ分けるところがとても難しかったです。自分の中で時系列をちゃんとたてておかないと感情が追い付かないというか、なので、自分ひとりだけじゃ作品は作れないんだなということも、改めて感じました。

桜田「私の世代は交換日記よりプロフ帳!」 高橋文哉「何それ?」

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――今回、実際に手書きで日記を書かれたとのことで、LINEとかと違って文字だからこそ伝わるものもあるのかなと思いますが、実際に日記を書いてみてアナログの良さみたいなのは感じました?

高橋: 僕の場合は桜田さんが書いた文字を見ながら書けたので、瀬戸山としてこういう字体にしたいなとか、こういうふうに字から伝わるといいなと、お芝居という垣根を超えて字だけで表現できたらいいなと思って書きました。あとは同じ文字を書いても変わったりするので、感情表現の場としても、文字で表現できることはあると思います。受ける印象ももちろんですが、与える印象も意識しながら書きました。

桜田: 交換日記は渡したら「送信取消」ができないじゃないですか。だから言葉の重みが違うなと思いました。戻ってくるまでどういう返事なのか、ましてや自分が何を書いていたのかも忘れるくらい、待っている間もすごく緊張しますよね。今だとすぐ返事ができちゃいますが、自分の言葉に責任を持つようになるというか。言葉の返し方次第でこっちの受け取り方も違ってくるので、だからこそ文字って本当に大事なんだなと感じました。是非みなさんにもやってみてほしいです。

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――ちなみに過去に交換日記はしたことはありますか?

高橋: 僕はなかったですね。

桜田: 私はありました! 小学3年生くらいのときに3~4人のグループでわざわざノートを文房具屋まで買いに行って、2周くらいしてどっかに消えました(笑)。

高橋: それには何を書くんですか?

桜田: 何書いてたかな~。でも何を買ったとか、それこそ気になる相手の話とか、この男の子が気になるとか。みんなでアドバイスを書いて…と言っても2周しかしてないんですけど(笑)。

高橋: …どっかに落ちてるんじゃない?

桜田: それ怖いですね(笑)。でも私の時代はプロフ帳(プロフィール帳)の方が上回ってたんですよ!

高橋: プロフ帳ってなんですか?聞いたことあるけど…

桜田: 自分の個人情報を入れて渡すんですよ(笑)。「私の名前はひより」「年齢は何歳」とか。星座とか気になる人のイニシャルとかが穴埋めになっていて、そこを埋めて渡すんです。

高橋: それをみんなに配るの?!

桜田: 違う違う!(笑)

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――穴埋めのところを埋めて友達同士で交換し合うんです。

桜田: そう、友達になりたい相手からもらって書いてそれを交換してって…。

高橋: それ、なかったです…。

桜田: えー! プロフ帳って女子の文化なんですかね。でも好きな人に渡したりとかしましたよ。見たら思い出すかも。

高橋: でも手紙はありましたよ。授業中にノートの切れ端に書いて渡したりとか、廊下ですれ違いざまに手紙渡したりとか。

桜田: スパイみたい(笑)

高橋: 「今日は1限はこういう授業で~」とか「どこ行く今日?」みたいなのを友達に書きましたね。ノートに書いて折り方とか調べて渡していました。

撮影現場は「本当の学校みたいだった」

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――共演者は同世代の方々(茅島みずき、曽田陵介、齊藤なぎさ、板垣瑞生)が多いですが、撮影現場の雰囲気はいかがでしたか。

高橋: 本当、学校でした。

桜田: うん、学校でしたよね。撮影も教室でのシーンが多かったので、ご飯も一緒に食べて、みんな年齢も近いので。何話してたんだろう…。「今日のお弁当、何かな」しか思い浮かばない(笑)。

高橋: そうですね!

桜田: もう1~2時間くらい前から「今日、なんだろうね」って話から始まって、「昨日はアレだったから今日はコレかな」みたいな他愛もない話をみんなでたくさん話してました。

――それは本当に学校みたいですね!ちなみに希美の部活場所でもある放送室のシーンも印象的でしたが、お二人は学生時代に放送部にリクエストなどはしたことありますか?

高橋: 僕リクエストしていました。SMAPさんとか、「夜空ノムコウ」とかリクエストしていました。

桜田: 私もリクエストしていました! 洋楽ですね。当時中学生だったんですけどワン・ダイレクション全盛期で、CD買ってリクエストしました。私の青春です。

――そうなんですね。そんな撮影の中で最も楽しかったシーンは?

高橋: 球技大会の撮影はシンプルに楽しかったです!サッカーの授業のシーンも、待ち時間にクラスメイト含め距離を近づけるためにも、一回試合しようぜ!とかいって本当に試合をしたり。そういう空気感はこの作品ならではだと思いました。

桜田: みんなで行った富士急ハイランドのシーンがとても楽しかったです。私初めて行ったんですが、こんなに楽しいんだ!って。! その表情が映像にも出てると思います(笑)。みんな富士急に着いた瞬間からテンションあがってました。

「どれだけリアルに本気でキュンとさせられるか」緻密に撮影した胸キュンシーン

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――今回、ハッとさせられる胸キュンシーンがふんだんに詰め込まれてますが、実際の撮影はいかがでしたか?

高橋: どれだけリアルに本気でキュンとさせられるかを考えつつ、いろんな方にアドバイスをいただきながら演じました。みなさんが想像するキラキラとしたものより、もっと地に足つけてみんなで話し合いながら、どういうものが刺さるのかを研究して撮影しましたね。

桜田: そうですね。普通の恋愛映画だと「やばい~キュンキュンする!」って感じなんですけど、結構「やばい…」ってずっしりくる感じの(笑)。焦りとともに…理想的なシチュエーションでありながらも、現実的にありそうというのが大事なので。その中でどう見せたらみなさんにキュンキュンしてもらえるかなと、スタッフの方々含めカメラワークだったりとか立ち位置とか、すごくこだわりをもってやりました。みなさんの思いがギュっとつまったシーンになっていると思います。

多忙な2人、自分と向き合える時間は?

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――消極的な希美が放送室では自分と向き合う時間として自身を開放しているように感じましたが、お二人は自分と向き合う空間やリラックスできる時間・場所などはありますか?

高橋: 僕は台本を読んでいるときですね。一番自分と向き合っているというか、しっかりと物事と向き合う唯一の時間というか。あまり趣味がないので。薄暗い部屋かすごく明るい部屋のどっちか…2極です(笑)。しっかり考え込みたいときはキャンドルだけの灯で、とにかく台詞を入れたいときは真っ白のピカピカの光とか。精神統一に近いですね。白湯とか飲んでます。

桜田: 私は散歩です。散歩はとても好きでこの前も2時間くらい歩いてました。決まった範囲ではなく、都内から戻ってくるときにここで降りて、ここまで歩くとか。歩いているときは自分と向き合ってる感覚にもなりますし、基本悩み事とか自己完結させる派なので、そこで一度向き合ってリセットさせます。音楽とか聞きながら、好きな飲み物を飲みながら、みっちり歩いてます。

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テキスト・取材:編集部、撮影:藤木裕之


映画『交換ウソ日記』 2023年7月7日(金)全国公開

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高校二年生の希美は、ある日移動教室の机の中で、「好きだ。」ただひと言、そう書かれた手紙を見つける。送り主は、学校イチのモテ男子・瀬戸山。イタズラかなと戸惑いつつも、返事を靴箱に入れたところから、ふたりのヒミツの交換日記が始まる。そんな中、実はその手紙や交換日記が親友宛てのものだったことが判明。勘違いから始まった交換日記だったが、本当のことが言い出せないまま、ついやり取りを続けてしまう。いつも空気を読みすぎてしまう、話し下手な希美は、自分とは真逆の思ったことをはっきりと口にする、ド直球な瀬戸山を最初は苦手に思っていたが、彼を知るうちに惹かれていく。その一方で、打ち明けるきっかけをどんどん失っていき事態は思わぬ方向へ…ウソから始まった、切ない片想いの行方は―!?

出演:高橋文哉、桜田ひより、茅島みずき、曽田陵介、齊藤なぎさ/板垣瑞生
原作:櫻いいよ「交換ウソ日記」(スターツ出版文庫)」
主題歌:「ただ好きと言えたら」KERENMI & あたらよ(A.S.A.B)
監督:竹村謙太郎 脚本:吉川菜美 音楽:遠藤浩二
製作:©2023「交換ウソ日記」製作委員会


 
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太陽とオオカミくんには騙されない♥
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映画「交換ウソ日記」高橋文哉&桜田ひよりサプライズ登場!2人の課外授業に大熱狂!
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