沖縄を舞台に、17歳の少女が社会の過酷な現実に直面する姿を描いた映画「遠いところ」。7日から全国公開され、話題を集めている。
カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭のメインコンペティション「クリスタル・グローブ・コンペティション部門」に選出されるなど、国内外の映画祭で既に絶賛の声が寄せられている本作。先行上映された沖縄では、公開から17日で動員が1万人を超える大ヒットを記録している。
主人公の少女・アオイを演じたのは、昨年、新海誠監督作「すずめの戸締り」の声優にも抜擢された、いま注目の若手俳優・花瀬琴音だ。
オーディションは沖縄と東京で行われ、参加者約600人の中から選ばれたという。
「全員がアオイを映すために必死になって愛情をもって作り上げている座組でした。そこで『つらい』とか言ってられんなと思って」(以下、花瀬琴音)
本作では、沖縄のコザを舞台に、幼い息子と夫と3人で暮らす17歳の少女が過酷な現実に向き合う姿が描かれている。監督を務めた工藤将亮氏は、4年にわたり取材を重ね、脚本を執筆した。
花瀬も撮影前の準備期間中、“沖縄で生まれ育った若者”を体現するため、役作りとしておよそ1カ月間沖縄で生活したという。撮影はすべて沖縄で行われた。
「私は東京都出身なので、方言や食べ物、生活習慣も全然違うんです。まずは沖縄の人間になるために何か方言を言ってみたり、『この時間は暑いな』と思いながら、過ごさせていただいて。あとはアオイの要素として17歳の方やお母さん、いろいろな人にお話をお伺いして役作りをしていきました」
アオイの息子・健吾を演じた長谷川月起(つき)くんとは常にいっしょに過ごし、信頼関係を築いていった。撮影では月起くんがきっかけで生まれたシーンがいくつもあったという。
「(月起くんが近寄ってくるシーンは)もともとなかったシーンです。私が落ち込んで、次の撮影の準備をしているときに、駆け寄ってくれたのをカメラマンさんと監督が『いまいまいま』みたいな。自分も回っているのがわかったので、次のシーンでやろうとしていたことをやらせてもらいました。ナチュラルに月起くんから動いてくれたものをそのまま映してできたシーンでした」
初主演作の全国公開を迎えたいま、今後の活動について花瀬は「作品の一部になっていたい」と話す。
「常に素敵な作品を作っていたいですし、作品に関わって、その一部になっていたいと思います。今回『遠いところ』で役との向き合い方、役づくりに対しての考え方をすごく学ばせていただきました。それをこれからは自分で活かして、素敵な作品になるように、役者として関わっていきたいなって思います」
(「ABEMA Morning」より)
この記事の画像一覧






